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●ノルウェーサーモン、2050年までに生産量5倍に  松田陽平 (週刊水産タイムス:15/02/23号)

 ノルウェーは2050年までにアトランティックサーモンの生産を現在の約5倍となる500〜600万tをめざす。来日したノルウェー水産物審議会(NSC)のインダストリーマネージャー(サーモン&トラウト)、ポール・アンダール氏が17日開催したメディアセミナー「アトランティックサーモンの需要と供給の展望」の中で明らかにした。

 アンダール氏によると、サーモンに対する需要は2002年〜14年の平均で約13%伸びている。特に東欧(25%)、中・南米(33〜34%)、アジア(15%)での伸び率が大きい。

 「中国やインドなど、まだサーモン消費に火がついていない国が多く、需要拡大はまだ初期段階で発展途上にある」と潜在需要が大きいことを示した。

 一方で、需要拡大に生産は追いつくのか。

 昨年の世界のアトランティックサーモンの生産量は220万t。そのうちノルウェー産が54%(約120万t)、チリ産が26%。

 アンダール氏は「持続可能性を維持することが前提だが、ノルウェー政府は2050年までにサーモン生産量を現在の5倍に増やすことを目標にしている」と語った。

 ノルウェーサーモンの生産を現在の5倍に増やすための最大の課題は“シーライス”(寄生虫の一種)対策。持続可能な養殖を実現するために越えなくてはならないハードルだ。

 アンダール氏は「増産計画は病気の発生などの状況を見ながら慎重に進めていく。2〜3年のスパンで、赤信号がともれば生産を抑え、青信号であれば増産する」と説明。

 NSCのヘンリック・アンデルセンディレクターは「増産を実現するために、病気対策や養殖技術の革新的な技術開発が必要。何とかハードルは越えられると確信している」と自信を示した。

 アンダール氏は「サーモン需要が強まる傾向にある一方で、2〜3年は大幅な増産が難しく、相場は高値で推移する見込み」と語った。

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