●全国の生協、2期連続で増収増益宅配が5%増とけん引 全国132の地域生協の2014年度の総事業高は、消費増税による落ち込みが限定的で、宅配事業のうち、個人宅に配達する「個配」が4.5%増と伸びたことから0.5%増2兆6990億9500万円と増収、一般企業の経常利益に当たる経常剰余金は26.2%増431億7500万円と2期連続で増収増益となった。経常剰余率は1.60%と0.33ポイント改善した。日本生活協同組合連合会がまとめた。 宅配事業は供給高(売上高)が1.5%増1兆6956億2300万円と増収。そのうち、「個配」が4.5%増1兆1222億4000万円と伸びてけん引した。グループ単位に配達する「班配」は0.4%減5734億円と年々減少傾向にあり、宅配事業は個配にシフトしている。 店舗事業は1.3%減8685億600万円と前年実績を下回ったが、日本生協連の嶋田裕之統括専務理事は「3〜4%減が続いていた時期と比べれば回復傾向にある」と評価している。14年度は11生協が店舗事業で黒字化を果たし、「過去最も多い数」(同)だったという。 昨年度末の店舗数は968店と前年度比で11店増加した。「不採算店舗の閉鎖が一段落し、改装や新規出店の動きが出てきた」(同)。 組合員数は2059万人と2.3%増加した。 日本生協連、宅配で冷食が伸長 日本生活協同組合連合会の2014年度決算は、相場安で米の売価が下がったことなどが影響し、総供給高が0.9%減3747億3500万円とマイナスとなったが、冷凍魚・冷凍肉など水産・畜産部門を含む冷凍分野が伸長した。嶋田裕之統括専務理事は「宅配を持っている強みが活かせた」と総括している。 経常利益に当たる経常剰余金は3.6%増41億9900万円と増益だった。 PB「コープ商品」のうち、冷凍食品の供給実績(会員生協への卸売ベース)は0.6%増335億8216万円とほぼ計画通りだった。そのうち、調理冷凍食品は2.5%増233億8515万円と伸びたのに対し、冷凍野菜が1.4%減70億4712万円、アイス・冷菓が8.2%減31億4988万円とそれぞれ前年度の実績を下回った。 今年度の総供給高は0.4%減3731億円とマイナスを見込むが、「粗利は確保する」(同)方針。 新副会長に本田・新井氏が就任 日本生活協同組合連合会は、東京都江東区のホテルイースト21東京で12日開催した通常総会、理事会で役員を改選、新役員体制を決めた。 嶋田裕之、和田寿昭両専務理事、山本克哉常務理事は再任。 商品事業担当の藤井喜継常務理事、福島裕紀常勤監事が新任。 前副会長の田井修司氏は顧問に就いた。 |
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