●設備投資相次ぐ生産・流通とも 需要拡大に対処 冷凍食品関連企業で施設の増・新設計画が相次いでいる。需要拡大を見越した取り組みであるとともに、将来の発展をめざすため、新たなシーズ(種)を植える戦略の一環。冷食メーカーでは昭和40年代後半に建設した工場が相次いで老朽化しており、一方で東京五輪を前にした需要拡大と生産地の最適化、省コスト対策の上でも新工場の建設計画が具体化しつつある。流通関連でも新・増設の動きは活発化している。
昭和冷凍食品は新潟本社工場に新設したホットケーキラインを本稼働し、7月下旬から出荷開始した。5月の連休明けにライン敷設を完了し、テスト操業を続けていた。(関連2面) 調理冷食を手掛ける第2製造課のラビオリ・ワンタンライン(Aライン)とたこ焼き・プチケーキ(Bライン)の間に新ラインを敷設した。生地を焼成後、生産計画に沿ってフリーザーはAラインにもBラインにもつなげられるのが特徴。現状の生産能力は大判で毎時1700食(枚)、レギュラーサイズで3500食。 レンジか自然解凍で提供できる。「ホットケーキミックスで市場シェアbPの昭和産業の経営資源とノウハウを活かし、同業他社のホットケーキを凌駕する品質になった」(山科社長)と自信を示している。 ベーカリー店、外食、学校給食などが主力販路。バター、メープルシロップ等をかけるだけでなく、フルーツ、クリームやソーセージ・野菜・炒り卵などをロール状に巻くメニュー提案も行う。 これで昭和産業グループはホットケーキの市販用・業務用ミックス粉と業務用冷食のラインナップが揃うことになる。 マルハニチロ九州 前処理棟を新設 マルハニチロ九州(熊本県菊陽町、飽本裕二社長)は既設の2工場とは別に、前処理を行う新工場棟を建設している。 敷地内には「横浜あんかけラーメン」等の冷凍麺類、春巻、「れんこん挟み揚げ」等の調理冷食や缶詰を手掛ける第1工場と白身&タルタルソース等のフライ冷食、中華丼等などを生産する第2工場がある。 しかし「第2工場で作る製品の原料前処理を第1工場で行って、第2工場に持ち込むというケースが少なくなかった」(同社)。そこで第2工場棟と冷凍倉庫の間に隣接して前処理工場棟を建設し、作業の合理化を図る。10月完成、操業開始の予定。従来の前処理要員が新ラインに異動するので、従業員数は変わらない。 同社はマルハニチログループの九州の生産拠点。林兼産業の「林兼デリカ」をマルハニチロ食品(当時)が2010年10月に株式取得、同12月現社名に変更。翌11年1月フライラインを増設した直後の3月、東日本大震災が発生し石巻工場(宮城)等が被災。その後、フライ冷食、冷凍麺類、春巻などグループ内の大型商品をカバーし、生産量が短期間に大きく増えている。 ハウディ 大分食品の新社屋建設 ハウディ(熊本市、富永哲生社長)はグループ会社大分食品物産(城透社長)の用地2700坪を取得した。10億円弱の大きな投資で社屋・物流センターを揃える。再来年3月の完成をめざす。富永社長が大分県庁を28日訪れ、同県知事に用地取得を報告した。 同県内で提案力を高め「いずれは名実共に大分県内でトップクラスの業務用卸をめざす」(富永社長)。 ハウディは大分食品の株式の過半数を昨年7月取得し、筆頭株主となった。 |
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