●昨年の冷食生産量わずかに減少値上げ浸透、金額は増加 日本冷凍食品協会が20日発表した平成27年(1〜12月)の冷凍食品国内生産統計によると、数量は1.4%減151万9883tとわずかに減少したのに対し、金額(工場出荷額)は出荷価格の引き上げなどにより1.0%増6870億円と増加した。生産数量の減少は会員企業の退会も影響しているという。 業務用は5年ぶり数量減 全体の生産数量は減少したが、家庭用は1.1%増61万6653t、金額も3.3%増2945億円と数量・金額とも2年ぶりに増加した。 業務用は数量が3.1%減90万3230tと5年ぶりに減少。金額は0.7%減3926億円と4年ぶりに減少した。 大分類の品目別生産量では、水産物が8.0%増と伸びたが、大半を占める調理食品が0.9%減少した。調理食品のうち、フライ類が3.9%減ったが、フライ類以外は0.2%増とわずかだが増えた。 品目別生産量を見ると、たこ焼・お好み焼(1万2588t増)、炒飯(6020t増)、がんもなどの大豆製品(4815t増)、魚フライ(3268t増)が大きく伸びた。 一方で、カツ(1万397t減)、和菓子(8370t減)、卵製品(7458t減)、ミートボール(3784t減)の減少量が大きかった。 集計したのは416社480工場。前年に比べて3社、31工場減った。 国内生産量(151万9833t)に冷凍野菜輸入量(91万1518t)と会員企業25社の調理冷食輸入量(25万405t)を加えた268万1806tを消費量と定義し、総人口1億2711万人で割った国民1人当たりの年間消費量は21.1kgとなり、前年比で0.2kg減少した。 冷食協の木村均専務理事は「業務用を中心に会員の退会が多少影響したが、退会分を含めると前年を上回っていただろう。家庭用の生産量は増加し、価格改定が一定程度浸透したことで全体の金額も増加した。結果的に悪くはなかった。冷凍食品の需要はまだ伸びる」と総括している。 コロッケが3年ぶり生産量1位 日本冷凍食品協会がまとめた昨年の冷凍食品国内生産統計の品目別上位20品を見ると、コロッケがうどんに代わり、3年ぶりに1位となった。前年1位だったうどんは2位に後退。3位は5年連続でハンバーグとなった。 炒飯が7位から4位に、大豆製品が20位以下から18位にランクアップした。 一方、カツは4位から7位に、スパゲッティが5位から6位にそれぞれ後退した。 調理冷食の輸入量微減も金額増 日本冷凍食品協会が会員25社を対象に調査した昨年の調理冷凍食品の輸入量は4.1%減25万405tと減少したが、金額は円安の影響で3.8%増1409億円と増加した。 業務用・家庭用ともに数量は減少したが、金額はいずれも増加した。 国別輸入量で見ると、最大輸入先の中国産が6.5%減13万7471tと減少したのに対し、2位のタイ産が1.3%増9万7851tと増加した。 ただし、日本の調理冷凍食品輸入量の全体の状況を示すものではない。 |
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