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今週の一本

●今年のサンマ、昨年やや下回る予想  井出万寿男 (週刊水産タイムス:16/08/01号)

魚体は28cm以上が中心

 東北水産研究所のまとめによると、今年(8〜12月)のサンマ漁況は、来遊量が昨年をやや下回る予想で、漁期はじめは低調に推移。その後も旬別漁獲量の変動が大きいとしている。道東〜三陸海域の水温は高めで経過し、サンマの漁場への来遊を阻む可能性が高い。低調だった昨年をさらに下回りそうだ。

 魚体は漁期を通じて1歳魚の割合が高い。漁期全体における漁獲物の1歳魚の割合は昨年(85%)並みで、1歳魚の体長は6〜7月の漁期前調査時におおむね27cm以上、8月以降の漁期中は28cm以上となる。

 焦点の漁期と漁場だが、大型船出漁直後(8月下旬)の漁獲量は少なく、漁場は択捉島沖以北の広い海域に分散する。9月中旬になると漁況は上向くものの、その後も旬別漁獲量の変動は大きく、漁場は親潮第2分枝沿いの沖合に形成。三陸海域への南下時期は平年よりやや遅れ、漁場形成は10月中旬となる。

 日本のサンマ棒受網による漁獲量(1981〜2015年)は、11.2万t(2015年)〜34.3万t(2008年)の間で推移し、2000〜2009年は毎年20万tを上回っていたが、2010年以降は減少し、昨年は1981年以降最低の11.2万tにとどまった。

 日本のほか、ロシア、台湾、韓国、中国でもサンマを漁獲しており、このうちロシア(旧ソ連)は1960年代から、韓国が1980年代中盤から、台湾が1980年代後半から漁獲を始め、さらに中国も2012年にサンマ漁業に参入している。

 1981年以降のこれらの国・地域を含めた全漁業国の漁獲量は、17万t(1999年)〜62.5万t(2014年)の間で推移しており、2015年における日本の漁獲量が占める割合は、およそ3分の1となっている。

 サンマは日本の近海だけでなく、北太平洋の中緯度域(亜寒帯から亜熱帯海域)に広く分布。季節的な回遊を行う。

 漁期前の6〜7月は主に東経155度よりも東側(沖側)に分布しているが、8月以降に日本近海に来遊してくる。日本のサンマ棒受網漁業は8〜12月に行われるが、サンマの回遊とともに漁場は南に移動し、8月に千島から道東沖、10月には三陸沖に漁場が形成され、漁期末の11月下旬〜12月には漁場の南端が茨城県〜千葉県沖に達する。

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