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今週の一本

●チルド売場広がる  去石誠一 (週刊冷食タイムス:16/09/13号)

新店や改装店中心に

フレッシュ感を訴えて

 チルド食品(冷蔵食品=保存温度が0〜10℃)がスーパーの食品売場に台頭してきている。人口減少や少子高齢化の流れを受けて、食品売場の活性化に向けた動きの一環。その背景には「チルド食品が持つフレッシュ感を武器に消費者にアピールしたい」という流通サイドの思惑がある。これまで冷蔵食品には縁遠かったマルハニチロや明治のように、チルド食品市場に本格参入する動きも活発化している。売場では、どんな構成でチルド食品をアピールしていくかを含め、まだまだ模索状態ではあるが徐々に存在感を増しているのも事実だ。

拡大しているチルド食品売場
 一般的に冷凍食品の保存期間は1年間。これに対してチルド食品は短く、数日から数カ月と幅広いのが特長。近年は、既存の日配チルド食品に対抗するように、賞味期限を伸ばしたチルドが拡大。和惣菜、中華惣菜を中心に洋惣菜とジャンルも拡大している。

 マルハニチロはロングライフチルドの新工場を自前で作り、2015年から洋風メニューを中心に本格発売している。賞味期限は45日間。これまでにない本格メニューで、「新たなニーズを掘り起こしていく」方針。調理の手間をかけず、電子レンジで簡単に楽しめる商品設計にしている。

 明治は昨年9月に“明治Daily Rich”(賞味期限3〜6カ月)ブランドを立ち上げて、中部・関西地区でテスト販売してきたが「チルド食品の需要は大きい」と判断。今月には商品を改廃して、全18品を全国発売に切り替えたばかり。デイリーリッチは、簡単調理のスープの他、ひと手間加えて作る調理ソースなど「簡便性に加えて、手作り感も楽しめる」のが特長。

 流通サイドでは新店や大型店、改装店を中心にチルド食品売場を拡大する動きが顕著化しており、メーカーと一緒に新しい需要の創造に向かっている。

 こうした流れに対して、冷凍食品業界では「調理の利便性や長期保存性だけを訴えていては、チルド食品に負ける」と危機感を強めている。

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