●東南アジアに「低温物流網」「物流大綱」検討会が提言、食の輸出増へ 国土交通省は15日、「総合物流施策大綱」に関する有識者検討会を開催し、今夏に閣議決定する次期大綱に向けた提言を取りまとめた。日本の食品メーカーが海外に進出しやすくするため、日本の低温物流網(コールドチェーン)について、保冷から輸送までのルールを国際標準化し、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域に物流網を整備することなどを盛り込んだ。 提言では低温物流網を構築するため、国がアジア諸国に外資規制の緩和を働きかけたり、官民ファンドを活用して日本の物流の仕組みを拡大させる支援を促している。 アジアでは経済成長に伴って、国民の所得水準が上昇している。電子商取引(EC)の普及といった消費形態の高度化も進み、低温物流網や宅配便サービスの需要が高まっている。日本の農林水産物や食品の輸出拡大が期待されることから、商機を取り込み成長につなげる狙いがある。 国内では人出不足に対応するため、民間事業者の連携を強化し、共同配送で効率化を図ることが重要と指摘。荷主や運送業者の間で荷物管理システムの形式がそれぞれ異なる。「必要な情報を複数の事業者間で適切に共有・活用する」ことが求められる。官民の枠組みで検討し、データの標準化など民間が連携しやすい体制を整えるべきと提案した。 大綱は政府が5年ごとに定めている物流政策の基本方針で、今回の提言が素案となる。 有識者検討会は、ニチレイロジグループ本社の羽津元之執行役員海外事業推進部長や味の素物流の坂本隆志取締役常務執行役員、東京海洋大学の兵藤哲朗教授を含む27人で構成。 |
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