●震災の教訓共有、漁港強靭化へ提言採択全国漁港漁場大会、盛岡で開催 第68回全国漁港漁場大会(全国漁港漁場協会主催)が10月31日、岩手・盛岡市の県民会館で開かれた。同県開催は34年ぶり。全国の関係者が集まり、東日本大震災の教訓を共有し、漁港などの強靭(きょうじん)化や漁業を成長産業とするための提言を採択した。全国漁港漁場協会の橋本牧会長は「岩手県は大震災で被災し、水産業の復旧を進めている。その過程で得た教訓を(南海トラフ巨大地震など)将来の災害に備えるため、学ぶ必要がある」と強調した。
岩手県漁港漁村協会の大井誠治会長(岩手県漁連会長)は事例発表で、大震災から1カ月という異例の早さで宮古市魚市場の再開にこぎつけた漁業復旧の歩みを説明。「重要なのは的確な初動とリーダーシップ、漁業と流通・加工業の一体的な復旧だ」と振り返った。同県には111の漁港があり、108の漁港が被災した。うち104の漁港が完全復旧。残る4漁港も今年度中に復旧する見通しだ。 来賓出席した水産庁の岡貞行漁港漁場整備部長は今年3月に閣議決定した「漁港漁場整備長期計画」について言及し、施策を強力に推し進める考えを示した。 大会後はレセプションが開かれた。来賓の鈴木俊一五輪担当大臣は「2020年の東京五輪・パラリンピックには海外から多くの人が来日する。これを契機に日本の水産物を食べてもらい、品質の良さを発信したい」とあいさつ。 続いて、自民党漁港漁場漁村整備促進議連の衛藤征士郎会長は「市町村の森林整備の財源に充てる『森林環境税』の導入に向けた検討を政府・与党でいま進めている」と指摘し、「山が崩壊すれば海への影響も大きい。そういう意味で漁業にとっても、重要な法案だ」と続けた。 |
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