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今週の一本

●未来へつなぐ完全養殖マグロ  井出万寿男 (週刊水産タイムス:17/11/27号)

極洋、愛媛で待望の出荷披露式

 極洋、フィード・ワンは合弁会社の極洋フィードワンマリンが愛媛県で手掛けてきた完全養殖クロマグロ「本鮪の極 つなぐ」の出荷披露式を22日、松山市内のホテルで開いた。魚に強い総合食品会社の極洋と、配合飼料のトップメーカーのフィード・ワンによる養殖・種苗生産技術が融合し、クロマグロが本来持っている色目、身質、風味にこだわった高品質の完全養殖クロマグロが誕生した。翌日は「本鮪の極 つなぐ」が養殖されている南宇和郡愛南町の極洋フィードワンマリン・越田漁場で養殖漁場見学会が行われた。

限りある資源の有効活用へ

イケスから釣り上げられた
完全養殖クロマグロ「本鮪の極 つなぐ」

 出荷披露式で極洋の今井賢司社長は、晴れて初出荷を迎えた「本鮪の極 つなぐ」への熱い思いや、これまで事業を支えてきた関係者への感謝の気持ちを語った後、@極洋とフィード・ワンの連携(事業をつなぐ)A天然資源の環境負荷軽減と持続可能性(資源をつなぐ)B完全養殖のサイクル(次世代につなぐ)C四国西南部での一貫体制(同一エリア内でつなぐ)D海外販売展開(世界につなぐ)――の5つから「つなぐ」と命名した理由を説明。米国での試験販売でも高評価を受けたことなどを紹介し、「時代にマッチした水産品であり、今後も限りあるマグロ資源の有効利用に努めていく」と語った。

 フィード・ワンの山内孝史社長は「マグロ完全養殖への挑戦を開始して以来、31年間の努力が報われ、ようやく初出荷にたどり着いた」と感無量の挨拶。「太平洋クロマグロ資源の減少が指摘される中、安定生産に向けて今後も努力を続けていく」と語った。

 愛媛県の原昌史副知事、三井物産の吉川美樹執行役員食料本部長が来賓を代表して祝辞を述べ、中央魚類の伊藤裕康会長は「まさに情熱と科学の結晶。極洋さんの業界・社会を見通す広い視野と、一歩先んじた行動力に敬意を表する。今後も我々の目を奪うような取り組みを続けてほしい」と期待を寄せた。

 今後の事業発展を祈念して、威勢のいい鏡開きが行われた後、多田久樹極洋会長の音頭で乾杯。会場には50s級の「本鮪の極 つなぐ」が届けられ、地元宇和島水産高校出身で宇和島プロジェクト社員の松本唯さん(19歳)が鮮やかな手さばきで解体した。

 最後にフィード・ワンの弦巻恒三会長が謝辞を述べた。

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