●ボストンシーフードショー開催期待高まる北米市場
毎年3月に開催されているSENAは、世界3大水産見本市のひとつ。今年はフィジー、オマーン、ウクライナ、ベネズエラなどの新規出展を含む57カ国から1341社の企業・団体が出展した。 日系大手水産・商社系もグループ企業がブースを構え、商品展示、商談を積極的に行っていた。 日本水産は、「NISSUI」と大きく書かれたブースを設置。ブースでは業務用水産冷凍食品メーカー、キング&プリンスシーフード社が生産するエビ加工品や売れ筋のスリミ加工品「ロブスターセンセーション」などを展示。また、北米での販売を強化している「焼きおにぎり」「ちくわ」「かきあげ」などの業務用冷食を提案した。 マルハニチログループはウェストワードシーフーズ社やピーターパンシーフーズ社などが出展し、ゆったりとした商談スペースを確保。アラスカの生産拠点を生かした北米商材をアピールすると同時に、バイヤーとの商談を進めた。 極洋グループのキョクヨーアメリカ(シアトル)は、同社が得意とする寿司種や、カニ・イカ・底魚など加工品を中心に提案した。また、昨秋に米国で先行商談を開始した完全養殖本マグロ「本鮪の極 つなぐ」を来場したバイヤーに紹介した。 セルマックやホフセスも出展
丸紅グループのノースパシフィックシーフーズ社はブースを前年の約3倍に拡大して出展。「49thSTAR」といった自社ブランドの認知度を高めるのがねらい。同じく、丸紅グループの水産物販売会社イースタンフィッシュカンパニーは別ブースを設け、昨年立ち上げたばかりの新ブランド「JUSTFISH」を大々的にPRした。 ジェトロ日本ブース、輸出拡大に手ごたえ ジェトロが設置したジャパンパビリオンには、日本の水産関連業者13社・団体が出展した。 今年初めて出展した道水中谷水産(高知県)は、高知県養殖魚輸出促進協議会と共同出展した。 同社は、高知県で養殖している「黒潮本まぐろ」をはじめ、高知県で養殖されているブリやマダイなどを紹介した。 道水養殖事業本部海外営業課の山岸潤一次長は「卸売業者やレストランなどからの評価は非常に良いが、実際にどのように流通するか、HACCP認証があるかを来場者から聞かれる」と説明。アジアへの輸出実績はあるが、今回の出展を機に北米への輸出の足がかりにしたい考えだ。「北米市場では日本産養殖マグロを使いたいという声は多い」と今後に期待している。 ブリなどすそ野広がる 同じく初出展となったノースイ(東京)は、浜蒸しカキやむきホタテ、イクラのほか、「湯がきお刺身海苔」などを提案した。 お刺身海苔について東京本社水産事業本部海老事業部営業推進部の落合純一課長は「面白いと興味を持って頂くが、ビジネスにつながるまでにハードルは高い」と語る。 一方で「米国の水産市場のすそ野は広がっており、今後伸びる余地が十分にある。手探りしながら進めていきたい」と意欲を示した。 SENA出展の常連企業である森松水産冷凍(愛媛県今治市)はハマチ中心にマダイやカンパチなどを試食提供した。 森松優子専務は「10年以上出展しているが、毎年輸出は伸びている。米国市場でハマチなどを使う業者が増え、すそ野が広がっている」と手応えを感じている。新商品「トロハマチ」もなかなか好評だった。 |
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