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今週の一本

●豊洲市場、晴れ開場記念式典  井出万寿男 (週刊水産タイムス:18/09/17号)

築地市場の伝統を継承

 目前に迫った10月11日の開場を前に、東京都は中央卸売市場豊洲市場の開場記念式典を13日、豊洲市場7街区水産卸売場棟で盛大に開催した。小池百合子都知事、村松明典市場長、農水省幹部、国会議員、都議会議員ら約900人が出席。築地市場をはじめとする全国の市場関係者や大手水産会社、水産団体のトップも勢ぞろいした。式典後は築地市場協会主催の祝賀会も開かれた。

「魅力ある豊洲市場に育てる」と
式典で挨拶する小池都知事

高度な衛生管理の閉鎖型市場に

 式典で小池知事は「長い歴史と伝統、豊富な品揃えと目利きの力、活気と賑わいなど、様々な魅力によって世界に誇る“築地ブランド”が築かれた。豊洲市場は、この伝統を引き継ぐとともに、老朽化・狭あい化といった課題を克服し、高度な衛生管理を実現する最新鋭の市場として出発する」と挨拶。

 新たに開場する豊洲市場を「時代の変化に対応できる日本の中核市場として、地域に賑わいをもたらし、世界も見据えた食文化の新たな発信拠点として大きく育てていきたい」と述べた。

 新井ゆたか農水省食料産業局長が齋藤健農水大臣らの祝辞を代読。尾崎大介都議会議長、山崎孝明江東区長の祝辞の後、(一社)築地市場協会の伊藤裕康会長(東京都水産物卸売業者協会会長、中央魚類会長)は「この日を迎えることができ、まさに感慨無量。まずは築地に心からの感謝を捧げたい。思えば、築地市場の移転、あるいは現地再整備といった話が浮上してきから実に半世紀が経った。移転が正式決定した平成13年から数えても17年、この間、様々な議論を重ねてきた」と、新市場開場までの道のりの長さを強調。

 その上で「この豊洲市場は閉鎖型卸売場として常時低温で管理できる。首都圏の基幹市場としてはもちろん、輸出入も視野に入れた効率的な物流、高度な衛生管理を誇る水産、青果の総合卸売市場として“豊洲ブランド”を確立する」と強調した。

 登壇者によるテープカット、久寿玉割りで豊洲新市場としての新たな歴史がスタートした。

 祝賀会では伊藤会長の挨拶の後、業界団体を代表して大日本水産会の伊藤滋副会長(マルハニチロ社長)、岸宏JF全漁連会長が挨拶。東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長が乾杯の音頭を取った。

 伊藤社長は「築地の集荷力、信用力を継承し、ハード面の強化を加え、世界の豊洲市場になることを願う」と期待。

 岸会長も「市場内を見学したが、素晴らしい施設に感動した。政府が水産改革の中で進めている漁業の成長産業化に合致した市場であり、我々生産者も安心安全でおいしい魚を豊洲にお届けしたい」と述べた。

ハードとソフトが融合

 「築地のソフト、豊洲のハード」が融合し、世界に冠たる市場として期待される豊洲市場は、食の安全・安心や効率的な物流、環境対策などの新たな機能に加え、地域の活気や賑わいの創出にも寄与する魅力ある中核市場をめざす。

 閉鎖型施設として商品特性に合ったエリアごとの適温管理ができ、高温や風雨から商品を守る。
 通常のシャッターに加え、シートシャッターやエアカーテンを整備。外気や虫・ホコリの流入を防ぐとともに、施設内の保冷効果も高めている。水産の卸売場や仲卸売場に入る際には、手洗い・手指消毒・靴底消毒が必要。

 作業の効率化と円滑な物流に向け、駐車スペース、荷捌きスペースも確保した。専門小売店や食品スーパーなどから求められる加工・小分け・包装などができる加工パッケージ施設を整備している。

 省エネに取り組み、環境にも配慮している。都内最大級の太陽光発電など、自然エネルギーを活用するともに、外気冷房システムの導入やLED照明などの省エネ機器を採用。屋上緑化も行っている。

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