●回転寿司で働き方改革WEBの企業内大学を設立 回転寿司チェーンを展開する銚子丸(千葉市美浜区、石田満社長)は、働き方改革の一環としてWeb動画による教育プログラム「銚子丸 立志塾(りっしじゅく)」を立ち上げた。接客方法や調理手順など、店舗運営に関するあらゆるノウハウを動画にまとめた。仕事の合間などにパソコンやスマホで見てもらいながら、従業員の資質向上につなげる。
昨今の外食産業は、消費者の根強い節約志向に加え、食材コストの上昇が続き、採用難と人手不足が厳しい状況に追い打ちをかけている。 関東1都3県でグルメ回転寿司などを90店舗展開する銚子丸でも、技術者・経験者の高齢化と減少をはじめ、店舗運営レベルの低下や教育機会の減少といった課題に直面しており、これまで根幹としてきた「教え教わる文化」の喪失に危機感を抱いていた。 こうした中で着目したのは「FCCアカデミー」と呼ばれるタナベ経営(経営コンサルタント会社)の企業内大学設立システム。これまでも調理手順などを社内で取りまとめていたが、体系化されておらず、教育ツールとしての形にはなっていなかった。 今回立ち上げた「銚子丸 立志塾」は「銚子丸の百科事典としての網羅性があり、1人でも手軽に学べ、る。じっくり見れば、しっかり分かる」(石田社長)のが特徴。正社員500人、パート・アルバイト3500人が働く同社にあって、受講の履歴や進捗状況も確認できる。業務の性格上、現場での訓練が大切だが、「FCCアカデミー」と並行して行うことで、習得度確認のOJT(日常業務を通じた従業員教育)と昇格試験の実施により会社も本人も成長を実感できる。 受講者からは「動画を見ると、今まで実践してない部分があった」「新人の教育に役立っている」「動画の内容が銚子丸の基準なので、上司による教え方のバラつきがなくなる」「どこでも見られるので便利」といった導入を歓迎する声が多く上がっている。 石田社長は「仕事をする前に、予習として見てもらえれば効果的」と立志塾の設立効果を期待。人材不足の中で「すし未経験者の中途採用や定着率の向上にもつなげたい。海外進出にも役立つはず」と期待する。 |
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