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今週の一本

●懸案の業務用冷食の値上げ  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:19/06/04号)

連休の裏で新価格通る

 原料調達コストや物流、人件費などの著しい高騰を背景として業務用冷凍食品の価格引き上げが4月に実施されたが、10連休という大きな需給課題への対応が表に出て、販売店(卸)では商品調達が優先され、新価格は目立った抵抗感がないまま通っているようだ。

 多くのメーカーの業務用事業担当者が「値上げはすんなり通った」ことを認める。

 中には「卸店と価格交渉する以前に、連休中の受発注と先付予約の話が先行し、価格の話題はあまり出ていない」というところもある。

 また外食料飲店では4月からの春メニュー切り替えを前に値上げが発表されたため、メーカー原価に見合った価格帯の商品へ早々にシフトされたため「目立った動きにならなかった」という見方もある。

 大型連休では予測した以上に先付発注を行った販売店が多かったため「卸の倉庫は連休明けに在庫で一杯」。しかも「連休後に大きな反動があり外食系も給食系も受注数量が大幅に減っている」という業務用卸からの報告も聞かれる。

 買い控えが夏休み前にどの程度影響するのか「4〜5月をならしてみないと、今期の動きがいいのか厳しいのかわからない」という声が多い。

 さらに懸念されるのは需要筋が持つPB商品の価格がどこまで引き上げられるか。「卸店の中には、NBは値上げやむなしとみているものの、PBについては差別化のためにも、利益を確保する上でも値上げには相当シビア」(大手冷食メーカー業務用担当役員)となっており、PB商品に関するメーカーと卸の価格交渉は長期化も懸念される。

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