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今週の一本

●サバ・イワシが好調  井出万寿男 (週刊水産タイムス:19/06/24号)

水産缶詰5.9%増、生産量10万4000t

 (公社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会(浦上博史会長)がまとめた生産統計によると、2018年(1〜12月)の水産缶詰は10万4410tで前年比105.9%となった。果実、野菜、調理・特殊は伸び悩んだが、水産と食肉の増加が他の目減りをカバー。食品缶詰(飲料を除く丸缶)の合計は21万5195tと0.3%ながらも前年を上回った。増加に転じたのは2014年以来。

青物志向続く

 水産缶詰はサバとイワシがけん引した。サバ缶人気が続いており、青物への志向がイワシにも波及した。ただ、サンマは原料事情で伸び悩み、2006年以降で初めてイワシに抜かれた。

 サバは4万9349tで前年比126%、イワシも7233tで152%。サンマは6732tで69%となった。

 サバは「水煮」が2万5000tで前年比140%、「味付(醤油ベース)」が5300tで111%、「味噌煮」が1万6600tで123%と、汎用性の高い水煮タイプの人気が特に高いが、味付や味噌煮も伸長している。

 逆にカニ(前年比63%)、サケ(同92%)、マグロ・カツオ類(=ツナ缶、同86%)、イカ(同86%)は原料事情の悪化やコスト増などから、いずれも減少した。貝類もアサリを除いては全体的に減少傾向にある。アサリの増加は赤貝の代替とも受け止められる。

 水産缶詰以外では、フルーツみつ豆や混合果実、やきとり、うずら卵水煮、カレー、スープ類、びん詰のえのき茸、ジャム(イチゴ、マーマレード、あんずなど)が増加した。

 飲料で圧倒的な生産量のコーヒードリンクは、ペットボトルや紙容器へのシフトが進み、前年比90.2%と1割減少した。

 レトルト食品は37万9521tで前年比1.3%増。カレーが全体を引っ張り、3年連続で過去最高を更新した。

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