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今週の一本

●商業捕鯨再開、操業スタート  井出万寿男 (週刊水産タイムス:19/07/08号)

母船式初漁はニタリクジラ

愛知県沖で捕獲されたニタリクジラ
 IWC(国際捕鯨委員会)からの正式な脱退を受けて再開した日本の商業捕鯨(母船式船団)は4日午前、初漁となる1頭目のニタリクジラを捕獲した。捕鯨母船「日新丸」の船上で乗組員が初漁を祝った。
 船団は1日に山口県下関港を出港。4日から愛知県南方沖で操業を開始した。ニタリクジラを捕獲したのは第三勇新丸で、捕獲したニタリクジラの体長は12.67m、体重13.73tのオスだった。

 IWCは商業捕鯨を認めていないが、日本は脱退したことで、その拘束は受けない。ただ、これまでIWC加盟国の権利として実施してきた公海(南極海、北西太平洋)での調査捕鯨はできなくなった。

 商業捕鯨の対象海域は日本の領海と排他的経済水域に限定。捕獲枠は今年度(12月31日まで)、ミンククジラ52頭(沿岸捕鯨を含む)、ニタリクジラ150頭、イワシクジラ25頭の計227頭。算出に当たっては、蓄積した科学データを元に捕獲可能量を推定資源量の1%以下に抑え、「100年間捕獲を継続しても資源に悪影響を与えない数量を設定した」(水産庁)としている。

 捕獲枠や操業水域は厳格に管理する。全ての捕鯨業者に日別の捕獲頭数の報告を義務付けるとともに、母船や鯨体処理場へは水産庁監督員を派遣する方針。衛星を利用した船舶位置の確認も行っている。

昨年の調査捕鯨は南北で計637頭

 許可隻数は母船式捕鯨が1船団(母船1隻、独航船3隻)。山口県下関市を根拠地とし、沖合で数カ月間にわたり操業する。

 沿岸捕鯨は5隻で、北海道の網走、釧路、青森県八戸、宮城県石巻、千葉県南房総、和歌山県太地などを根拠地とし、基地周辺沿岸での日帰り操業。対象鯨種はミンククジラで、既に捕獲が始まっている。

 昨年の調査捕鯨における年間捕獲頭数は南極海がクロミンククジラ333頭、北西太平洋がミンククジラ170頭、イワシクジラ134頭だった。

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