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●ニチレイ・東洋水産増収増益
(週刊水産タイムス:20/02/10号)
水産大手5社の第3四半期
大手水産各社の令和2年3月期第3四半期(4〜12月)の業績が出揃った。マルハニチロ、日本水産は売上高、営業利益とも前年に届かず、極洋は増収も上期の苦戦が響き減益。ニチレイと東洋水産は食品事業がけん引し、増収増益となっている。
マルハニチロ、商事・海外が苦戦
マルハニチロ(東京・豊洲、伊藤滋社長)は売上高が6983億円で前年同期比2.3%減、営業利益が160億円で20.0%減となった。漁業・養殖事業が増収、加工事業が増益だったが、商事事業、海外事業が減収減益と苦戦した。物流事業は増収増益。経常利益は186億円(前年比20.6%減)、四半期純利益は129億円(同25.2%減)。 漁業・養殖事業は、カツオの取扱いやマグロの出荷が増えたが、マグロの原価高とカツオの魚価安で利益率が低下。商事事業は、量販店・外食向け販売が好調な水産商事が増収も、マグロの相場下落や中国向け高級商材の販売不振で減益。 加工事業は工場稼働減による原価上昇で若干の減益。物流事業は、大都市圏の旺盛な保管需要を取り込んだ。
日本水産、南米鮭鱒が好調
日本水産(東京・西新橋、的埜明世社長)は売上高が前年比3.0%減の5268億円、営業利益は4.2%減の190億円となった。ファイン事業が増収、水産事業が増益。南米の鮭鱒養殖事業は順調に推移したが、チルド事業、国内の漁労・養殖事業が苦戦した。経常利益216億円(前年比5.3%減)、四半期純利益147億円(同3.2%減)。 水産事業の営業利益は105億円で前年比7億円の増加。加工・商事は、鮭鱒やぶりの販売が順調。北米はすりみやフィレの販売価格が堅調に推移したがコストが増加した。 食品事業は減収減益。 ファイン事業は、機能性原料の販売が前年に続き国内外とも順調に推移した。 物流事業は順調に推移したが、一部グループ会社で退職給付債務の算定方法を変更した影響などで減益。
極洋、年末商戦健闘も減益
極洋(東京・赤坂、井上誠社長)は増収減益となった。物流サービスを除く各セグメントで前年の売上高を超えたが、水産商事と鰹・鮪の2セグメントの減益が全体に影響した。 売上高は2054億円で前年比3.9%増、営業利益は26億1600万円で20.2%減。経常利益29億7900万円(同24.1%減)、四半期純利益17億3900万円(同30.5%減)。 水産商事は売上高1016億円(前年比4.9%増)、営業利益14億8200万円(同30.7%減)。 鰹・鮪セグメントは売上高223億円(前年比1.2%増)、営業利益1億2800万円(同78.8%減)。
ニチレイ、加工食品が大幅増益
ニチレイ(東京・築地、大櫛顕也社長)は主力の加工食品事業や低温物流事業が堅調に推移し、売上高は4475億円と前年同期比0.4%増収となった。 利益面では、畜産事業とバイオサイエンス事業が苦戦したが、調理冷凍食品の販売が好調に推移した加工食品事業がけん引し、営業利益は257億円(同8.3%増)。経常利益は264億円(同8.8%増)、四半期純利益は170億円(同4.4%増)となった。
東洋水産、即席麺が全体をけん引
東洋水産(東京・港区、今村将也社長)は売上高3138億円(前年比2.5%増)、営業利益218億円(同10.6%増)、経常利益243億円(同12.2%増)、四半期純利益172億円(同17.0%増)で増収増益となった。 水産食品事業の主力は鮭鱒・魚卵。売上高は229億円(前年比0.7%減)、セグメント損失は2億900万円(前年はセグメント利益2億5100万円)。 即席麺事業は海外、国内とも増収増益。冷蔵事業は増収減益。
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