●感染症対策本部、休校損失に212億円支援給食卸の陳情に一定の成果
この財政支援の一部が使われない給食物資分の損失補てん額となり、給食卸が求めている支援額を大きく下回るが、政府に直接働きかけたことにより生まれた財政措置であり、給食卸の行動は一定の評価が得られたものと受け止められる。 学校給食関係事業者には「給食再開に向けた安全・安心の確保と食品ロス対策のための支援をきめ細かく行う」とし、次の様な具体的な支援策を打ち出した。 @給食調理業者(納品業者を含む)に対する、(中略)衛生管理の徹底・改善を図るための職員研修や設備等の購入の支援(定額/全額公費負担) A食品納入業者・生産者等に対する、学校給食に納入を予定していた野菜・果実等についての、代替販路の確保に向けたマッチング等の支援及び販路が確保できない場合の慈善団体等への寄付のための輸送費等の支援(定額/全額国庫負担) ほかに酪農家、乳業メーカーへの支援策も含め、学校給食休止による対応総額212億円を充てる内容。 給食卸とメーカーの5団体が農水省、文科省担当官に4日事情を説明した際は3月の給食費が約390億円、そのうち給食卸の納品物資は約200億円と伝えた。さらに卸3団体が菅官房長官に9日陳情した際は卸の損失総額を430億円と説明した。 今回の学校給食関係の財政支援は余剰物資を寄付する際の輸送費や、余剰生乳処理・処分費を含み、給食卸の損失を全てカバーできる規模ではないが、農水、文科両大臣や内閣官房長官に窮状を直訴し、支援策を引き出したことは一定の成果として評価される。 文科、農水省が事業者配慮依頼 文科省と農水省は全国の市町村学校給食関係当局に「臨時休業に伴う学校給食休止による影響を受けている学校給食関係事業者に対する配慮」についての依頼書を11日連絡した。 菅官房長官にも窮状直訴 学校給食卸関連3団体は学校が一斉休業となったことにより傘下中小卸の3月度の売上げがなくなるための救済を求める「陳情書」を萩生田文科大臣、江藤農水大臣に6日提出した。 家庭用冷食に需要殺到 政府が学校一斉休校と在宅勤務推進、イベント自粛を呼びかけたのをきっかけに、家庭用冷凍食品の売上げが一時的に急増した。 「一斉休校は疑問」と業務用卸 政府が学校の休校を要請したことで給食物資の取り扱いに大きな混乱が各地で起きているが、本紙が全国の業務用卸に緊急調査したところ「一斉休校は本当に必要だったのか」という疑問が多くから聞かれ「資金繰り対処を国の責任で行って欲しい」という切実な声が出ている。中には「学校が休みでも保育所等は営業しており、物流ルート数は変わらない。3月の減収で4月の資金繰りが心配」という意見もある。(関連5面) |
||||