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●コロナ対策で業務用卸の時差出勤、在宅勤務は少数
佐藤巳喜夫
(週刊冷食タイムス:20/03/31号)
営業活動に影響
業務用地域卸は新型コロナウイルス対策として社員の検温、手指消毒、マスク着用などを一様に実施しているが、時差通勤やテレワークなど勤務内容で対応している例は極めて少ない。本紙が全国の業務用卸に調査し判明した。
都内、都市部などを除き地域卸の事務所では車通勤が多いため「時差通勤の必要はない」(中国地方の大手卸)。同様に在宅勤務を実施している卸は、今回の調査で一部に留まった。 会議・打ち合わせなど社内で多数が集まる機会を「削減している」のは7割。逆に「通常通り」という回答が東北、都内、北関東から寄せられた。商談等の対外営業活動については「通常通り」が東北、都内、中国の卸から回答があったが、それ以外の7割は「減った、減らした」が大半。
新たな対策なし
新型コロナに関し特別な対策はしていない、という業務用卸店もある。「通常から衛生管理を徹底しているから」が理由。食品安全マネジメントシステムISO22000の認証を取得している卸店から同様の指摘が聞かれた。 ある地方卸では「通常から現業社員は体温測定や健康状態の申告をしている。手指消毒液は平常から適宜設置している。マスク着用は義務化していない。着用している社員もほとんどいない」という。 来訪者にもマスクの着用を求めていない。営業・納品活動時は「お客様がマスク着用を義務付けている場合、お客様の意向に沿っている」。またISO22000の認証の中には細菌・ウイルス対策も含まれているため「その対応を継続することがすなわち社内でcovid‐19(新型コロナ)対策になると認識している」(同社社長)。 この会社が営業展開する地域で新型コロナの感染者は30日現在出ていない。 別の地域卸も「手指消毒、検温、健康状態申告など新型コロナ対策としてすべきことは以前から実施してきた。いまさら新たに取り組むべきことはない」という。 ただ、流通センターや配送現場ではユーザーの要望に応じて対応しているが「その希望する内容がバラバラで、その1つ1つを記せば莫大なものになる」と要望の多様さを指摘する。
会食・懇親会は原則延期か中止
ある大手冷凍食品メーカーでは危機管理対策本部を設置し、状況を毎日確認するとともにリスク対策を協議している。社内には手指消毒液を設置。出勤前の検温、こまめな手洗い・咳エチケットを徹底。平時は報告を必要としない程度の体調不良まで情報を集約。 イベント・行事・研修等は不急な場合延期・中止。会食・懇親会は原則延期か中止としている。 工場、物流現場では出勤前の体調確認・検温。昼食時と喫煙時以外はマスク常時装用。食堂利用時間帯を細分化など共用スペースでの相互接触を極少化。工場見学は当面中止している。 この会社では時差通勤を実施。テレワークも行っている。会議・打ち合わせは減らしている。商談など対外営業活動も減っている。
休校保証支援と政策の明確化を
学校の臨時休校により未利用となった学校給食用食材については国と地方が補助することになったが、中部地方の業務用卸は「未利用食品の寄付行為などによる配送料だけでなく、実損害の各種保証、支援政策を早急に明確化してほしい」と訴えている。
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