●冷凍食品がテレビに大量露出春需要を喚起、家ごもりとは無関係この時期が新型感染症拡大を防止するため安倍総理、小池都知事ら多くの行政トップからの外出自粛、自宅勤務を奨励する要請と重なったため「家ごもり」需要に合わせた施策と受け止められがちだが、実際は「3〜4月の冷食需要期に合わせ当初から計画していた販促策」とメーカー各社が証言する。 一部の番組を除き、テレビの冷食特番も以前から企画され、感染症問題が大きくなる前から工場取材などを行っていた。 3〜4月は新学期の弁当需要が膨らむのに加え、様々な季節行事、イベントが重なり、元々冷凍食品の需要期。そこで新製品などの浸透、利用促進のためCMが多く投入される。 メーカー広報担当は「新型コロナ禍や五輪聖火リレー開始時期を見越したCM投下ではない」と語る。 さらに、今春はニチレイフーズが「極上ヒレかつ」、日本水産は「金芽米おにぎり」という大型新商品を投入したのもCM大量投入を後押しした。 ニチレイFは極上ヒレかつの早期認知・購買につなげるため例年より多めの放映量を確保している。 日本水産の場合は昨年春発売した「もち麦おにぎり」が店頭に定着し、冷凍米飯で“焼きおにぎり”から“おにぎり”カテゴリーへの拡大が実現できたとみて、「金芽米おにぎり」2品のCM投下で“おにぎり”カテゴリーの定着を確実にする考えで投入している。 ニチレイFは「極上ヒレかつ」だけでなく、人気の「本格炒め炒飯」でも深田恭子さんを起用したCMを大量投下している。また全国紙などで「冷凍食品は希望だ!」と打ち出した全面広告を掲載し、次の100年に向けた冷凍食品業界を後押ししてくれた。 味の素冷凍食品は「ギョーザ」と「若鶏から揚げ」をクローズアップしたCMを放映している。若鶏から揚げでは特に俳優阿部サダヲさんらを使ったユーモラスで温かいシーンを演出。東急電鉄の二子玉川駅と電車を使った交通広告では小麦・卵・乳不使用を子育て中のママらに伝えている。 マルハニチロは若手人気俳優の伊藤健太郎さんがWildish「焼豚五目炒飯」を一心不乱に食べるガツ食いで若者に冷凍米飯のうまさと皿いらずの使い勝手の良さを訴えている。 このように冷凍食品のテレビCMは、当初の計画通りこの時期、活発に投入されているが、実は東京五輪がらみの販促企画も一部にある、と有力冷食メーカーの広報担当者が語る。 「今年は3月末が東京五輪の聖火リレーのスタートする時期であり、4月の新年度を前に“いよいよ東京五輪迫る”というムードが高まるはずであり、それを前提に販促企画も練り上げられていた」。 しかし五輪は延期が正式決定したため「急には企画を止められず、そのまま露出してしまったというケースもあるはず」という。 特番は事前計画と急仕込み双方 3月中下旬から冷凍食品をクローズアップしたテレビの情報番組やバラエティ番組の放映が相次いでいるが、事情通によれば「前から計画していたものと、コロナ禍で急仕込みの編成としたのが半々では」という。 |
|||