●コロナの影響で冷凍野菜が異常な人気接触リスクで生野菜を敬遠 新型コロナウイルスの感染の広がりに伴い学校の休校、在宅勤務、外出自粛などにより“巣ごもり”需要が冷凍食品に発生しているが、当初需要が集中した米飯、麺などの主食系からピザ・グラタン、スナックなどに購入行動は広がり、さらには冷凍野菜の購入意欲が異常値にまで高まるという変化を見せている。
4月はさらに冷食需要が総じて高まり、大手メーカーの市販用出荷ベースは米飯、パスタ・麺類とも30%に近づく増加。 ここにきてピザ・グラタンや粉もの、甘味などのスナックの出荷が5割増ペースに高まった。「毎日炒飯や麺類では飽きるので、ピザ・グラやたこ焼き、甘味系スナックにも手が出るようになったのでは」と大手卸店トップは分析する。 これに増してトップランクの需要の伸びを示しているのが市販用冷凍野菜。メーカーの出荷ベースでは2月前年同期比16%増が、3月になって31%増と急増。4月はさらに47%増と著しい引きを見せている。特にほうれん草、ブロッコリーなどが人気。 この時期、「日々の買い物は3日に1回」などの要請が出て、買い置きできる冷凍野菜の利用が増えたと考えられるが、大手メーカーのトップは異なる見解を示す。「生鮮野菜は誰が触ったかわからず、感染リスクが感じられる。その点、フルパッケージされた凍菜は生より安全と受け止められたのではないか」。 手触りリスクは消費者が持つ感染症対策の懸念材料の一つで、不特定多数がトングで商品を選ぶ惣菜バラ売りの販売が減ったのは同じ理由と考えられる。 凍菜の売上げが伸びるとその後、調理冷食の需要が拡大するという点も重要。2011年の東日本大震災でも冷凍野菜が最初に売上げを伸ばしたが「凍菜を使ってみて冷凍食品の使い勝手や品質の良さ、鮮度感などに気づき、ほかの調理品にも手が延びた」といわれる。冷凍野菜は冷凍食品の“入口アイテム”、冷食ユーザーへの“導入アイテム”と呼ばれる所以。 冷凍食品が総じて需要を大きく伸ばしているのに対し、弁当向けは4月以降、1割の前年割れと真逆の実績となっている。これは学校の休校が長引いて弁当の需要が急減、巣ごもり当初は弁当商品がつまみにも利用されたが、在宅が長引いて手作りする時間が増えたのが一因と読み取れる。 あるメーカーの市販用冷食の販売は1月5%増、2月16%増、3月21%増、4月28%増と右肩上がりに大きく伸びており「市販用は家庭に定着する」と大手卸のトップも見込んでいる。 これに対し業務用は「自粛解除のタイミングと利用者の解禁後の行動、第2波の状況などを見定めないと読めないが、相当厳しいのは間違いない」とメーカー、卸とも見ている。 |
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