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今週の一本

●鯖や、NTTドコモと業務提携  井出万寿男 (週刊水産タイムス:20/06/08号)

新たなサバ養殖モデル確立

鯖やグループの養殖場で右田社長(右)、NTTドコモの池田健一郎室長
 鯖やグループ(鯖や、SABAR、フィッシュ・バイオテック、右田孝宣社長)はICT(情報通信技術)を活用した新たなサバ養殖モデル確立を目的にNTTドコモとこのほど業務提携した。市場拡大が見込めるサバ養殖のICT化を推進し、“勘や経験”に頼らない新たなサバ養殖モデルの確立と全国展開による養殖業への新規事業者の参入促進をめざす。

儲かる養殖業めざす

 鯖やグループは「サバマーケット創造企業」として、サバ製品の製造・卸販売、トロサバ料理専門店の運営、サバを完全養殖するための種苗生産や観光施設の経営を始めとした海面養殖事業を展開している。サバの生産から販売、観光資源としての活用など「サバのある生活」を提供することで、国内の水産流通構造に改革をもたらし、日本の水産業の発展をめざしてきた。
 一方、ドコモは、中期戦略に基づく「産業創出」を進めており、パートナー企業が推進する水産業の活性化やブランド化にICTブイなどドコモのソリューションを活用することで、パートナーのビジネス拡大に取り組んでいる。
 この提携を踏まえ、和歌山県串本の鯖やグループの養殖漁場で、ドコモのICT技術を活用した実証実験を5月28日開始した。
 養殖イケス内の水質測定データや作業日誌、成長記録、気象情報などの情報をICTにより自動で収集し、養殖管理クラウドで一元管理。成育途中でも生存率や飼料転換効率などの養殖業における重要な経営指標を簡単に閲覧し、高い生存率と飼料転換効率に必要な条件を算出できる。飼料の給餌量を最適化することで“儲かる養殖業”を実現する。
 日本の海面養殖生産量のうち、サバ養殖の出荷量は1%未満だが、サバ養殖の成育の様子を映像配信し、人工種苗からの完全養殖サバの認知拡大を図る。
 新規参入を検討している事業者向けに、鯖やの養殖漁場にスタートアップ環境を用意し、本格導入時には、設備・ICTシステム、ノウハウ、人工種苗の稚魚を提供する。
 食用魚の中でもサバは栄養価が高く人気のある魚だが、近年、漁獲量が減少しており、需要に対して供給が追いついていない。ドコモと鯖やグループは、他の魚種と比べて養殖でのへい死率が高いサバの養殖にICTを活用することで、安心・安全でおいしい養殖サバの供給量拡大を図る。

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