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今週の一本

●自民党漁港議連が検討委を開催  井出万寿男 (週刊水産タイムス:21/03/29号)

「なりわい」「にぎわい」の漁港に
 次期漁港漁場整備長期計画の検討進む

佐井漁港の状況を説明する樋口村長
 自民党の漁港漁場漁村整備促進議員連盟(衛藤征士郎会長)は来年3月の策定をめざす漁港漁場整備長期計画の第2回検討委員会(鈴木俊一委員長)を東京・永田町の党本部で24日開いた。地元ニーズ、関係者からのヒアリングを行い、次期長期計画のあり方について意見を交わした。
 「日本一住んでみたい村づくり」を掲げる青森県佐井村の樋口秀視村長は「なりわいとにぎわいを創出する佐井漁港」をめざす村のビジョンを説明。漁港をサーモンやマツカワガレイの養殖場や、ナマコ増殖場などの「なりわい」の場とするとともに、新たな体験型観光資源としてフル活用する意向を示した。漁船を使った餌やりや漁獲、さらに獲った魚を味わえる漁業体験型観光を具体的なプランとして挙げた。
 大分県漁協の山本勇組合長は「生産拠点と流通拠点の一体的な整備による地域水産業の競争力強化」について報告。老朽化が進む佐伯市公設卸売市場の統合構想や、リアス式海岸の静穏水域を利用した長田地区のクロマグロ養殖の振興のための防波堤整備の必要性などを説明した。
 また、平成23年から養殖ブリのフィレ、ロインなどの加工を行っている漁協の水産物加工処理施設が需要増加により年間加工処理目標の60万尾を4年前倒しで達成し、令和2年度の処理尾数が100万尾となるなど、処理能力の限界に達している状況も説明。国の輸出重点品目である養殖ブリで、大分県が輸出拡大実行戦略の産地の一つに位置付けられたことから「新たな加工場整備に向けた検討を開始したい」と述べた。
 水産庁は漁港の有効活用に対する漁港管理者の意向調査の結果を報告。回答のあった2789漁港のうち、724漁港(全漁港の26%)で未利用エリアの活用促進の必要性を認識している。

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