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今週の一本

●観光庁がナレッジ集公開 “新しい生活様式”を実装  後藤美緒 (週刊水産タイムス:21/07/19号)

魅力ある滞在コンテンツ造成へ

 観光庁は「with/afterコロナ期における滞在コンテンツ造成のためのナレッジ集」をこのほど公開した。
 SDGs(持続可能な開発目標)を取り入れた漁業体験プログラムや、水産産地市場を起点とするマイクロツーリズム、漁業資源を活用したオンラインツアーのコンテンツ造成など、代表的なモデル事例として漁村における取り組みも掲載している。

SDGsやマイクロツーリズム、オンライン体験

 観光庁は昨年度、「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業を実施し、“新しい生活様式”の下での観光コンテンツの造成を促進した。
 今回のナレッジ集は、同事業により得られた知見をまとめたもの。@感染症対策を中心とした受入環境整備Aコンテンツ造成B情報発信や販路整備に関する誘客手法Cwith/afterコロナ期における持続可能なコンテンツの造成のあり方――にスポットを当て、滞在コンテンツ造成事業を遂行する上でどのような課題に直面し、どのように解決したのか、事例とともに紹介している。

越前町では漁業や食の体験に
学びの要素を取り入れた
漁村の事例も掲載

 コンテンツ造成については、量より質、持続可能性、マイクロツーリズム、オンライン体験などがポイントとなる。
 福井県越前町の事例では、漁業や食の体験にSDGsの観点を付加したことで、楽しい体験に教育要素がプラスされ、メッセージ性の高いコンテンツとなった。
 静岡県焼津市の事例では、「焼津さかなセンター」を起点とするマイクロツーリズムを新たに造成。新型コロナウイルス感染リスクを回避するためにターゲットを県内観光客に絞り、告知は地域住民に届きやすい新聞折り込み広告で行った。狙い通り、市内在住者を中心(約7割)とした集客ができた。アンケートでは高い満足度が得られ、地域の魅力の再発見につなげた。

リアルとバーチャル併用のツアーで

 三重県鳥羽市の事例では、ご当地通販好き、ディープな旅行好き、修学旅行の3つをターゲットに、バーチャルツアーとリアルツアーを活用した漁業資源の観光化・コンテンツを造成。お取り寄せで鳥羽市の味を楽しむECと、おいしい理由を探求するバーチャルツアーをパッケージにした「おうちこんてんつ」を商品化した。
 ナレッジ集は観光庁ホームページ(https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics08_000187.html)で見ることができる。6月に行った「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」全国シンポジウムの動画も公開している。

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