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今週の一本

●AI使い生産計画立案 ニチレイFが運用開始  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:21/09/07号)

熟練者の“勘”から解放 16兆のデータで瞬時に

 ニチレイフーズがAI技術を活用した工場の最適生産立案システムの運用を進めている。必要な製品の生産量、納期などを入力すれば、これまで熟練者が3時間かけてまとめていた生産計画が最短5分で最適解を示す。

工場の生産計画をAIで立案
(写真はイメージ)
 従来は工場別、ライン別、生産品目別に熟練者がノウハウや経験則に基づく“勘”を頼りに設備や納期、過去の計画履歴などを基に、1工場で最大16兆通りともいわれるデータを駆使して1個の案を生み出していた。
 ニチレイフーズはこうした経験則による“勘”で選択していた業務を日立製作所との協創で2018年からAIを使って最適生産・要員計画の立案に取り組み、ニチレイFの事業所にシステムを試験的に導入して効果を検証してきた。
 技術戦略部生産革新グループの村上強シニアプロフェッショナルと木村昂(たかし)氏によれば「基本的に、生産開始時期、納期など数回クリックするだけで最適生産計画が出てくる。作業時間は従来の1/10に短縮された」という。
 新システムの採用により、熟練者に限られていた生産計画の立案作業が基本的に誰でもできることになり、工場の制約が大幅に解消できた。
 現在導入しているのは船橋第1工場、同第2工場。テストランを経て今年2月から本格運用を始めたが、現在は「細かなチューニングを行っているところ」(村上氏、木村氏)。想定外の課題に直面したら1つ1つ潰している。
 「冷凍食品はリニューアルが頻繁に行われ、そのたびに学習効果を更新しなければならない。商品サイクルの短い商品は最適適応がまだ厳しい」(同)。
 ただし「現場からはアレルゲン原料の混入などの不安が常にあったが、新生産管理システムにより、それが解消されたのが大きい」と利点を強調する。
 国内工場の全てにまず導入を図り、その後は海外工場にも取り入れる考え。
 新システムの導入により業務上は熟練者の手すきの時間が増えるが「これまで時間の制約でできなかった、より高度なことに取り組んでもらう」ほか、システムの横展開にも指導者として役割を期待する。
 新システムの基本機能は同じだが、工場、ラインによってカスタマイズ調整が必要となるため、熟練者の関与が求められる。
 新システムは従業員の柔軟なシフトに対応できる要員計画にも効果がある。

日本の冷食工場で最初に実用化

 AIによる最適生産管理立案システムは日本の冷凍食品工場で同社が最初に実用化したが、この背景として「当社にはシステムに明るい人材が多い」ことを村上、木村両氏はともに指摘する。
 今回の事業を推進した技術戦略部の生産革新グループには電子工学やAIの専門家が揃っているわけではないが「社内の自己啓発活動で業務の幅を広げた。人を育てる社風、風土が生きた」と捉えている。

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