●釈迦頭ブーム来るか、台湾貿易センターが対日輸出促進最大輸出先の中国が輸入禁止
釈迦頭はバンレイシ科バンレイシ属の植物で、実のサイズはソフトボール大。表面のでこぼこが釈迦の頭に似ていることから「釈迦頭」という別名がついた。台湾南部で栽培し、8〜10月と、12〜3月の年2回収穫できるが、冬場の釈迦頭の方が、品質が良いと言われている。輸出する際は冷凍しなければならない。半解凍して実をカットし、シャーベット状態で食べるのが最適という。糖度は18〜25度と高く、りんごと比べてマグネシウムが9倍、食物繊維が2倍、ビタミンB2が14倍と栄養成分の高さも売りにしている。 今年1〜8月の台湾産果実の輸出額構成比は中国が49%と半数近くを占め、「釈迦頭」に関しては95%と大半を占めている。昨年は中国向けに約1万3600tを輸出した。 中国はすでに今年3月、台湾にとって最大の輸出品目でもあるパイナップルの輸入を禁止している。9月20日以降、釈迦頭と、輸出額4位のレンブ(りんごの仲間)を追加した。 一連の輸入禁止措置の理由について台湾貿易センター東京事務所の陳英顕所長によると「本当の理由はわからないが、通知されたのはコナカイガラムシ(害虫)が入っていたため。こうした問題は普通、交渉を通じて解決する。中国側はこちらの呼びかけに応じず、交渉のテーブルについてくれない」という。 釈迦頭は2018年に日本がテスト輸入し、現在は日本の輸入業者(株)Harawiiが担っている。当初は量販店向けを考えていたが、先行しているECサイトでは900g(2〜3個入り)を送料込みの5700円で販売している。 ECサイトを運営しているのは、台湾の旅行代理店KKday。コロナ禍で越境ECやオンラインツアーを手掛けるようになり、台湾産パイナップルに続いて釈迦頭をラインナップに加え、割り引きキャンペーンやSNSを活用したプロモーションを通じて日本での認知度アップに努めている。 今年の対日輸出目標は15t。ベストシーズンの12月にはより品質が高い釈迦頭が出回るほか、同じバンレイシ科の果実チェリモヤを掛け合わせた新品種の輸出も控えている。 (株)Harawiiはペースト状にして飲食店向けの食材や、食品メーカーの加工原料としての販売も計画している。 台湾貿易センターは日本以外にも、香港やシンガポール、マカオ、インドネシアなどにも輸入促進を働きかけている。 |
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