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今週の一本

●太平洋クロマグロ15%増枠 WCPFC年次会合で正式決定    栗原浩太 (週刊水産タイムス:21/12/13号)

大型魚の漁獲枠日本は5614tに

 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第18回年次会合がウェブ会議で1〜7日開催され、太平洋クロマグロにおける「大型魚の漁獲枠15%増」が正式に決定した。大型魚の漁獲枠は全体で7609t、日本は5614tとなる。
 漁獲枠の未利用分の繰り越しについては「漁獲枠の6%から17%へ増加」する現行の特例措置を、今後3年延長することに決まった。小型魚の漁獲枠は現状維持だが、今後3年間は小型魚枠の10%を上限として、1.47倍換算して振り替えることが可能になった。小型魚枠の振替上限は約401t。これをすべて振り替えた場合の大型魚枠は約589tとなる。
 熱帯マグロ(メバチ・キハダ・カツオ)の資源管理措置については、まき網漁業の操業日数制限や、はえ縄漁業のメバチ漁獲枠など、主要な措置について現行の措置を2年間継続することで意見が一致した。新規措置としては2024年からFAD(人工集魚装置)における網地の使用禁止が決定した。
 WCPFCは中西部太平洋における効果的な管理を通じて、同海域における高度回遊性魚類(カツオ、マグロ、カジキ類)資源の持続的な利用を目的とした地域漁業管理機関。
 今回の年次会合には米国、EU、中国、韓国などの26カ国・地域が参加。日本からは高瀬美和子水産庁資源管理部審議官ら参加した。
 高瀬審議官は増枠合意に至った要因について「国内の漁業者が長年取り組んできた資源管理の成果が加盟国・地域に認められた」と7日の記者会見で見解を示した。

全漁連、増枠に感謝

 JF全漁連はWCPFC第18回年次会合の結果を受けてコメントをこのほど公表した。概要は次の通り。
   ◇
 各国の利害が対立する中、10月にWCPFC北小委員会にて合意された、大型魚の漁獲枠15%増枠、漁獲枠の未利用分の繰越率の上限17%の確保などを勝ち取ったことについて、交渉にあたった水産庁のご尽力に心より感謝する。
 沿岸漁業においては、クロマグロの大型・小型のサイズを狙って漁獲することができないこと、経営への依存度が高いことから、小型魚の配分については、引き続き沿岸漁業者の現場の実態を踏まえた特段の配慮をお願いしたい。
 管理が困難な小型魚については今年も追加措置はとられておらず、来年に向け、継続して小型魚の増枠に取り組んでいただきたい。

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