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今週の一本

●マルハニチロ 北米スケソウ事業拡大  松田陽平 (週刊水産タイムス:22/02/07号)

陸上事業でトップシェアに

 マルハニチロ(東京都江東区、池見賢社長)は2日、米国の連結子会社マルハキャピタルインベストメント社(MCII社)とウェストワードシーフーズ社(WSI社)がアイスクルシーフーズ社(アイスクル社)からスケソウダラ操業のための資産を譲り受けたことを発表した。

陸上工場として利用されている
ノーザンビクター号
池見社長
 WSI社がアイスクル社から加工施設「ノーザンビクター号」を、MCII社と現地パートナーのCDQ(地域開発枠)グループが新設する漁船保有会社「ベーリング・ノース社」がアイスクル社からスケソウダラ漁獲枠付きの漁船9隻を譲り受けた。譲受金額は非開示。
 前身の大洋漁業が洋上スリミ生産を開始したのが約60年前。ダッチハーバーに世界最大級のスリミ工場(WSI社)を設立し、稼働を開始したのが約30年前。同社の舟木謙二常務執行役員養殖・海外ユニット長は今回の取り引きについて「アラスカのスケソウダラとの深い縁を感じ、大変うれしい」と語った。契約締結に向けて、約2年前から交渉を続けてきたという。
 ベーリング海のスケソウダラ事業は、米国漁業法により漁船が漁獲枠を保有する形態となっており、一般枠は陸上枠・母船枠・工船枠の3つに分かれている。陸上工場を保有しているWSI社は陸上枠をもつ漁船からの水揚げが必要で、今回の譲り受けにより陸上枠へのアクセスシェアは31%から41%へ増加し、陸上事業でシェアトップとなる。一般枠全体のシェアは22%から27%になる。

CDQグループとの友好関係で実現

 米国漁業法の外資規制でMCII社から漁船保有会社への出資は25%以内とされているが、現地パートナー(75%出資)であるCDQグループ、コースタルビレッジ・リージョンファンドとノートンサウンド・エコノミック・デベロップメント・コーポレーションの協力を得て、漁船保有会社を新設した。
 今回、WSI社が譲り受けたノーザンビクター号は年間約6万tの原料を処理し、スケソウダラのフィレとミンスを生産していた。 今後は近接するWSI社を含むグループ既存2工場と合わせ、3工場を有効活用し、スケソウダラ以外の原料を含めた効率的な生産を行う方針。
 今回の取り引きはCDQグループとの深いつながりがなければ実現しなかった。マルハニチロは長年、CDQグループとの友好的な関係を築いてきた。
 2015年7月には同社の伊藤滋会長(当時社長)がコースタルビレッジのある小さな村を訪問し、歓迎されたという。
 今回譲り受けた漁獲枠は一般枠だが、漁獲物から得られる価値は現地パートナーを通じて地元コミュニティへも還元される。
 舟木常務は「CDQグループと連携し、アラスカの水産業や地域のさらなる発展に貢献したい」としている。
 マルハニチログループは不採算が続いていた北米における鮭鱒加工事業から2020年12月に撤退しており、今回のスケソウダラ事業の資産取得により北米の水産加工事業の入れ替えが完了。今後はスケソウダラをグループ北米事業の主体と位置づけ、経営資源を集約させる。
 アラスカのスケソウダラ漁業は徹底した資源管理を長年続けており、世界で最も規模の大きなサステナブル認証漁業とされている。

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