●昨年の国内冷食生産3%増159万t超家庭用は額・量とも過去最高
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2021年の冷凍食品生産統計 |
2021年の国内生産数量上位20品 (左端の矢印は前年順位との昇降) |
業務用は2.3%増79万7547t、5.3%増3451億円といずれも4年ぶりに増加に転じたが、数量はピーク時の12〜19年の90万t前後で推移していた時と比べると回復途上にある。
家庭用は金額が業務用を2年連続で上回り、数量もわずかながら業務用を初めて上回った。
大分類の生産量は農産物が9.1%減少したものの、水産物が1.4%増、大半を占める調理食品が3.3%増加した。農産物の減少は退会や生産停止など特殊要因もある。
生産量が大きく増加したのは業務用が伸長したパン・パン生地(1万1195t増)や家庭用が増加した餃子(8862t増)のほか、かつ(5624t増)、ミートボール(4223t増)など。
減少したのはうどん(3645t減)、パスタ(3423t減)、シチュー・スープ・ソース類(2403t減)など。2021年から「スパゲッティ」を「パスタ」に改称した。
グラタン・ドリアが36.2%増と大幅に増えたのは、一部会員が米飯類からグラタン・ドリアに分類変更した影響もある。
品目別の生産量は1位うどん、2位コロッケ、3位炒飯、4位餃子まで前年と同じ。ハンバーグが6位から5位に、ラーメン類が7位から6位にそれぞれ上昇した。
工場数は10工場減の432工場。企業数は5社減って365社となった。
輸入調理冷凍食品は7%減
会員38社を対象に調査した昨年の調理冷凍食品輸入高は7.4%減23万6142t、1.6%減1544億円といずれも減少した。約半数を占める中国産は10.3%増加したが、新型コロナの影響で生産を一時停止した工場があるタイ(2.0%減)、ベトナム(2.7%減)からの輸入量が減った。
国内消費量は2%増290万t
2021年の国内生産量(159万6214t)と冷凍野菜輸入量(107万2390t)、調理冷凍食品輸入量(23万6142t)を合計した「国内消費量」は2.3%増290万4746tと2年ぶりに前年実績を上回った。総人口1億2550万人で割った国民1人当たりの消費量は23.1kgと0.5kg増加した。
金額は4.9%増1兆949億円となった。
木村均専務理事は「当協会が先日実施した利用状況調査では消費者の1割がコロナを機に冷凍食品を使い始めた、または再開しており、生産統計の数字にも表れている。全体としてまだ伸びると思う」とコメントしている。