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今週の一本

●昨年の国内冷食生産3%増159万t超  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:22/04/26号)

家庭用は額・量とも過去最高
 業務用は増加も回復途上

 (一社)日本冷凍食品協会が20日公表した2021年(1〜12月)の国内冷凍食品生産数量は家庭用、業務用ともに伸びて2.9%増159万6214tと前年実績を上回った。金額(工場出荷額)は5.2%増7371億円と数量の伸びを上回った。そのうち、家庭用は数量3.6%増79万8667t、金額5.2%増3919億円と調査開始以来、いずれも過去最高を更新した。業務用は数量・金額とも4年ぶりに増加したものの、ピーク時に比べると回復途上にある。

2021年の冷凍食品生産統計
2021年の国内生産数量上位20品
(左端の矢印は前年順位との昇降)
 全体では2017年の160万tと僅差で過去2番目の生産量だった。金額はピークだった1999年の7499億円に近づいた。21年の金額の伸びが数量の伸びを上回ったのは値上げの影響と思われる。
 業務用は2.3%増79万7547t、5.3%増3451億円といずれも4年ぶりに増加に転じたが、数量はピーク時の12〜19年の90万t前後で推移していた時と比べると回復途上にある。
 家庭用は金額が業務用を2年連続で上回り、数量もわずかながら業務用を初めて上回った。
 大分類の生産量は農産物が9.1%減少したものの、水産物が1.4%増、大半を占める調理食品が3.3%増加した。農産物の減少は退会や生産停止など特殊要因もある。
 生産量が大きく増加したのは業務用が伸長したパン・パン生地(1万1195t増)や家庭用が増加した餃子(8862t増)のほか、かつ(5624t増)、ミートボール(4223t増)など。
 減少したのはうどん(3645t減)、パスタ(3423t減)、シチュー・スープ・ソース類(2403t減)など。2021年から「スパゲッティ」を「パスタ」に改称した。
 グラタン・ドリアが36.2%増と大幅に増えたのは、一部会員が米飯類からグラタン・ドリアに分類変更した影響もある。
 品目別の生産量は1位うどん、2位コロッケ、3位炒飯、4位餃子まで前年と同じ。ハンバーグが6位から5位に、ラーメン類が7位から6位にそれぞれ上昇した。
 工場数は10工場減の432工場。企業数は5社減って365社となった。

輸入調理冷凍食品は7%減

 会員38社を対象に調査した昨年の調理冷凍食品輸入高は7.4%減23万6142t、1.6%減1544億円といずれも減少した。約半数を占める中国産は10.3%増加したが、新型コロナの影響で生産を一時停止した工場があるタイ(2.0%減)、ベトナム(2.7%減)からの輸入量が減った。

国内消費量は2%増290万t

 2021年の国内生産量(159万6214t)と冷凍野菜輸入量(107万2390t)、調理冷凍食品輸入量(23万6142t)を合計した「国内消費量」は2.3%増290万4746tと2年ぶりに前年実績を上回った。総人口1億2550万人で割った国民1人当たりの消費量は23.1kgと0.5kg増加した。
 金額は4.9%増1兆949億円となった。
 木村均専務理事は「当協会が先日実施した利用状況調査では消費者の1割がコロナを機に冷凍食品を使い始めた、または再開しており、生産統計の数字にも表れている。全体としてまだ伸びると思う」とコメントしている。

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