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今週の一本

●冷食売場、高質や時短に対応  御調陽光 (週刊冷食タイムス:22/06/07号)

 スーパー各社ではコロナウイルス感染拡大が続く2年間で巣ごもり需要に対応するため、新店や改装店で冷凍食品売場の拡大が相次いだほか、新たなコーナーを設ける店舗が増加している。
 外出が難しい中、自宅で良いものを食べたいという高質品のニーズに応える「冷凍スイーツ」や「外食の味」、調理素材としてあらかじめ下ごしらえ済みの商品や後片付けがいらないといった時短ニーズに対応した「冷凍野菜」、「ワンプレート(個食対応)商品」の4カテゴリーの導入が顕著だ。

拡大が相次ぐ冷凍食品売場
(写真はイオンスタイル南栗原)
イオンPB「トップバリュ」の
ケーキバーシリーズ
ライフの「ONE PLATE DELI」
スーパー スイーツや外食の味

 「冷凍スイーツ」はヤオコーではヤングファミリー層への対応として昨年開業した「和光丸山台店」(埼玉県)からカテゴリーの拡充に取り組み、子会社の小川貿易直輸入の洋菓子などの導入を進めている。ライフコーポレーションはお取り寄せ需要があるとして冷凍和菓子や北海道の花畑牧場の「十勝カタラーナ」などを取り扱っている。
 イオンではPB「トップバリュ」から解凍時間によって異なる食感が楽しめる「セミフレッドケーキ」や片手で食べられる「ケーキバー」を発売している。同社はスイーツを今年度の強化品目とし、アイスと併せて新店以外に既存店にも取り組みを広げていく。
 このスイーツカテゴリーは市販用商品のみならず味の素冷凍食品や日東ベストなど業務用商品の取扱いも増加している。
 「外食の味」はライフコーポレーションが2020年から外食産業支援としてファミリーレストラン「ジョイフル」や居酒屋「世界の山ちゃん」など外食企業の商品の取扱いを拡大している。イオンは「トップバリュ」から料理人監修品の「プロのひと品シリーズ」を21年に発売した。
 最近ではすかいらーくが「ガスト」や「ジョナサン」、「バーミヤン」ブランドの商品を、セブン&アイ・フードシステムズのデニーズが新ブランド「Denny's Table」を立ち上げ、市販用冷凍食品を投入し、イオンスタイルやヨークフーズでの販売を開始している。
 売場の大きい店舗では帝国ホテルやロイヤルデリなど比較的高単価な商品の導入も進んでいる。
 「外食の味」と平行して、bibigoの王マンドゥやヤンニョムチキンなど韓国料理を中心とした「海外の味」コーナーを設置するチェーンも少なくない。

時短にワンプレートや冷凍野菜

 「冷凍野菜」はコロナ禍で販売が伸長したことで単品商品のみならず、ミックス商品や国産素材こだわった商品のほか、ストックニーズに対応した大袋サイズの商品など、品揃えとサイズに幅を持たせる店舗が目立つ。
 イオンやヤオコー、西友ではPB比率が高いのも特徴。
 サミットでは冷凍野菜の拡大とともに、冷凍果実やスナック、冷凍パンと合わせた朝食のシーンとしてコーナー訴求を図るなど独自の売場を形成している。 
 直近では青果相場の高騰により冷凍野菜に切り替えるという動きもある。
 「ワンプレート(個食対応)商品」は単身世帯の増加や在宅勤務による昼食需要増によりコーナー展開が拡大している。NB商品のアイテム増加とともに、イオンのトップバリュやヤオコーとライフコーポレーションが共同開発する「スターセレクト」などPB商品が多く見られる。
 ライフコーポレーションでは同カテゴリー強化のため、男性向けにボリュームを重視した独自商品「ONE PLATE DELI(ワンプレートデリ)」を投入した。
 ワンプレート商品以外ではマルエツやダイエー、イオンスタイルがニチレイの「今日は家飲み」シリーズなどのNB商品だけでなく「トップバリュ」を含めてトップシールのつまみの充実を図っている。
 多くのチェーンでコロナ禍に売上げが落ち込んだ「弁当惣菜」は調理惣菜で代用できるアイテムを縮小したり、「弁当惣菜コーナー」を設けずに調理惣菜に組み込んだりという取り組みが一部では見られている。

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