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●ニチレイF山形工場 「冷やし中華」計画比20%増
高橋尚徳
(週刊冷食タイムス:22/06/14号)
今秋は「つけ麺」を投入
ニチレイフーズは山形工場(山形県天童市、松下正信工場長)に新設した個食生産ラインで製造している家庭用の「冷やし中華」が今春の発売から計画比20%増で推移しているという。今秋は家庭用に第2弾「つけ麺」を投入すると同時に、業務用商品の開発も進めている。メディア向けに現地で9日開いた内覧会で紹介した。
| 竹永社長 |
| 「冷やし中華」の麺の上に 氷を盛り付ける工程 (ニチレイフーズ山形工場) | | 「つけ麺」(右)と 業務用プレートメニューの試作品 |
今年2月に稼働を開始した新ラインには約40億円を投じた。製麺ラインではラーメン、パスタ、うどんの生産が可能。試作段階のつけ麺も冷やし中華と同様、電子レンジ調理しても冷たい状態で仕上がる。詳細は後日発表する。 冷やし中華は気温が高い日の数字が伸びているため、気温が上がるこれからが本番。現在は1交代制で生産しており、生産能力には余力がある。 冷やし中華の具材と氷は手作業でトッピングしている。人手はかかるが、さまざまな具材をアッセンブルする機能が強みになり、1食完結型のプレートメニューや、主菜と副菜を組み合わせたおかずメニューなどに対応できる。ソースの製造も可能。冷やし中華に使う煮豚や氷は山形工場で生産している。
個食は業務用に最大のチャンス
パーソナルユースメニュー(1人前規格の主食・主菜、軽食など)は家庭用で先行しているが、竹永雅彦社長は「個食生産は業務用に最大のチャンスがある」と内覧会で強調した。 関西工場で生産したハンバーグに、ブロッコリーとにんじんを添え、山形工場で生産したパスタをトレーの底に敷き詰めたおかずメニューを業務用に試作している。 個食タイプは調理時間の短縮、食材ロス・チャンスロスの削減につながる。中でも厨房設備が充実していないケースが多い老健福祉施設に注目している。
環境省補助金で自然冷媒を採用
新ラインのスパイラルフリーザーには自然冷媒を採用。環境省の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」を活用した。 ニチレイフーズは2030年までに国内自営投資工場のフリーザーを100%自然冷媒に切り替える計画を掲げており、脱フロンの進捗率は20年が50%、直近では70%に達しているという。 電力は東北電力の水力発電を利用した「よりそう、再エネ電気」を活用し、工場全体の電力に関するCO2排出量ゼロを実現した。 山形工場は今年65周年の歴史のある工場。常温の「ふかひれスープ」やカレーを生産しているが、過去には冷凍食品を生産していたこともある。探求心の高い工場であることや、麺生産には大量の水を使うため、良質な水が確保できる同工場に新ラインを設置した。 内覧会には竹永社長のほか、中野泰寿取締役専務執行役員、奥村剛飛マーケティング部長が出席。工場の概要やパーソナルユース需要への対応、地球環境への取り組みについて説明した。環境省と天童市から来賓を招待した。
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