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今週の一本

●サーモン陸上養殖に参入 三菱商事/マルハニチロ  松田陽平 (週刊水産タイムス:22/07/04号)

富山県入善町で2025年度稼働

 三菱商事とマルハニチロは、今年10月をめどに富山県下新川郡入善町でアトランティックサーモンの陸上養殖事業を行う合弁会社アトランドを設立することを6月30日発表した。

RAS養殖施設の概念図
海洋深層水を利用してサーモンを養殖
 合弁会社設立後、入善町に原魚ベースで約2500t規模の循環型養殖システム(RAS)を用いた陸上養殖施設を建設する。総事業費は約110億円。2023年度後半に着工し、25年度に稼働開始。27年度の初出荷をめざす。アトランドの出資比率は三菱商事51%、マルハニチロ49%。 
 両社は2021年3月から同事業の共同推進について協議を進めてきた。同事業では、RAS技術を活用し、AI・IoTを駆使した飼育環境の管理・最適化による安定的かつ効率的な生産体制の実現をめざす。また、地産地消型ビジネスモデルの実現により、ノルウェーなど海外の生産地から日本に空輸されている生鮮サーモンに比べて輸送距離の短縮化を図り、温室効果ガスの削減、低・脱炭素化への貢献を実現する。
 両社は「それぞれが持つノウハウを利活用し、経済価値・環境価値・社会価値を同時に実現すべく、事業を推進していく」としている。
 アトランドの陸上養殖施設では、RAS技術により飼育槽内の水を循環・ろ過することで、海面を使用せず養殖生産を可能とするモデル。サーモンの育成に最適な条件に飼育環境を調整することで、効率の良い養殖生産が期待できる。
 同施設で使用する水は、黒部川の伏流水と富山湾の海洋深層水を活用する。特に海洋深層水は清浄性・低温安定性という特徴があり、サーモンの養殖環境を陸上で実現するために必要なエネルギー使用量を抑えることができる。

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