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●日清医療食品 栃木に大型セントラルキッチン
大場隆広
(週刊冷食タイムス:22/08/16号)
東日本地区に1日最大10万食
| 「ヘルスケアフードファクトリー関東」の外観 |
病院・介護施設向け給食サービス大手の日清医療食品(東京都千代田区、立林勝美社長)は国内最大級のセントラルキッチン「ヘルスケアフードファクトリー関東」を栃木市に10日竣工した。同社のセントラルキッチンは全国で7カ所目。1日当たり最大10万食が製造可能な「ヘルスケアフードファクトリー」としては、亀岡工場(京都府亀岡市)に次いで2カ所目になる。 敷地面積2万4千uに鉄骨造り2階建て。延床面積は2万2千u。設計監理は三菱ケミカルエンジニアリング。稼働は11月1日を予定している。 立林社長は記者発表会見で「新工場は国内最大の消費地である関東圏の供給基地であり、(北海道・東北を含めた)東日本地区での事業展開に大きく寄与する最重要拠点」と語った。 そのうえで、本格稼働によって全国のセントラルキッチンの製造食数が1日20万食に近づくとともに、主力商品である「モバイルプラス」の全国への供給体制が整うと強調した。 「モバイルプラス」は調理加熱後に急速冷却するクックチル方式で製造した食事で、医療介護の調理現場では再加熱し盛り付けるだけの簡単作業で提供できる。献立作成や発注業務、調理など厨房の負担を大幅に軽減するだけでなく、工場で集中生産することで味のバラツキがなく、禁止食にも対応できる。
作業の効率化と負担軽減を実現
「ヘルスケアフードファクトリー関東」は亀岡工場(2017年稼働)での経験を活かし、レイアウトの改善などにつなげている。原材料から製品までの物量を分析してエレベーターや部屋の位置を最適化したほか、上下階の搬送に垂直搬送機(オートレーター)を導入した。これにより原材料や人の動線が短くなり、作業効率化と負担軽減を実現した。 商品管理とトレーサビリティも徹底している。大型冷蔵倉庫は包装工程後の自動箱詰め機や出荷用の自動仕分けソーターと連動し、生産管理システムからの指示に基づいて入出庫を行う。WMS(倉庫管理システム)とも連動し、誤出荷の防止やトレーサビリティを強化した。 原料保管は大型冷凍自動倉庫を導入することで、冷凍帯の人手作業をなくし、作業負担を軽減している。 雇用は地元を中心に進める考えで、これまでに新卒や中途採用、臨時社員、技能実習生ら140名を確保したが、松田靖史工場長は「工場を回すためにも最終的に400〜500名を採用したい」と語る。長く働いてもらうために労働環境には配慮しており、加熱調理室に低温排気を活用し、夏場の給気温度を冷やす設備を導入した。和室を備えた休憩室やパウダールームも完備した。 日清医療食品は給食受託では医療、介護施設ともにシェアトップ。契約先は5400カ所を超え、1日当たりの食事提供数は130万食に上る。
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