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今週の一本

●ベトナムの冷食事情 CVSけん引  橋本武寿 (週刊冷食タイムス:22/08/23号)

セブンやファミマが品揃え競う

ホーチミンで2017年以降ドミナント展開するセブン‐イレブン
セブン‐イレブンの冷凍食品売場
 ベトナム南部の商業都市ホーチミンはコロナ禍をものともせず、フォーなどの伝統的ファストフードを商う露店は健在で、半世紀以上続く老舗店も客足が絶えない。一方、近代的な小売店がこの数年間で急激に増えた。特に2017年以降、CVSが街のいたるところに店を構えた。CVSは冷凍食品の品揃えが多く種類も豊富。ベトナムでも冷凍食品市場がこれから広がるはず。その萌芽がホーチミン市内で見られる。セブンやファミマ等が冷食の品揃えを競っている。
 セブン‐イレブンは日本で1974年、ホーチミンで2017年から展開を始めた。その差は43年。今から43年前は日本で昭和の時代。新旧が入り混じるホーチミンの現在は、日本でいう昭和の時代あたりではないか。昭和から平成、令和にかけて日本で冷凍食品市場が広がったように、ベトナムでも冷凍食品市場がこれから広がるだろう。
 CVSが冷凍食品の品揃えで競い合っている。ファミリーマートの平台ケースでマルハニチロの冷凍米飯などを販売している。リーチインケースではMeiwaブランドの冷凍食品が存在感を放っている。「Meiwaコロッケ[200g]」7万5千ドン(435円)、「Meiwaエビカツ[216g]」8万8千ドン(約510円)、「Meiwa焼き寿司[180g]」5万2千ドン(約302円)」。このほかにもMeiwaの冷凍食品を陳列している。
 ミニストップではトップバリュの冷凍食品のほか、Cautreの中華惣菜などを品揃えしている。

CJ、Cautreブランド等

 セブン‐イレブンでCJbibigo、Cautre、SGFOOD、OriFoodブランドなどの冷凍食品を取り扱っている。
 サークルKでも冷凍食品を販売している。
 タイ・バンコクでは自国のCPブランド商品を頻繁にみるが、ホーチミンのCVSを見る限り、CPブランドの冷凍食品は確認できなかった。
 中部の都市、ダナンで立ち寄ったベトナム系CVSのWinMartではCPブランドのチルド商品を販売していた。
 ダナン市内の業務用スーパー、MegaMarketも冷凍食品を豊富に取り扱っている。低価格の訴求が目立つ。「冷凍bibigoマンドゥ[350g]」を3万9千ドン(約226円)、「冷凍Cautre春巻[400g]」を5万4千ドン(約313円)、「冷凍Cautreえび蒸し餃子[300g]」を5万6千ドン(約325円)で販売している。
 冷凍bibigoマンドゥ[350g]の通常価格は5万ドン(290円)。日本で冷凍bibigoマンドゥ[350g]を購入すると500円以上するが、ベトナムでは300円以下で購入できる。
 MegaMarketはタイ財閥系。ドイツのメトログループは2016年、メトロ・キャッシュ・アンド・キャリーのベトナム現地法人をタイ企業に売却した。ダナン市内にあったメトロにMegaMarketが居抜きで出店した。

シャトレーゼやすき家など出店

 ホーチミンの街中で見かける日本人は減ったが、日本発祥の店がコロナ禍でも増えた。すき家、シャトレーゼ、無印良品、ユニクロなどが地元客をつかんでいる。
 すき家は2016年にベトナム進出以降、店舗数を増やしている。牛丼など丼メニューのほか、ラーメンを品揃えするなど日本と異なるメニュー展開がユニークといえる。
 牛丼4万2千ドン(約244円)、うなぎ丼13万9千ドン(約806円)、ラーメンは数種類あり6万9千ドン(約400円)から9万5千ドン(約551円)で提供している。
 露店で麺類のフォーやブンを3万ドン(約174円)、1968年創業の惣菜・外食店「NHU LAN」でバインミーを3万ドンで販売している。伝統的ファストフードと比べると牛丼などは高い。

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