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今週の一本

●大日本水産会所蔵 図集原画に驚きの価値  栗原浩太 (週刊水産タイムス:22/09/26号)

「開運!なんでも鑑定団」に出演

高く評価された貝類の原画。当時のグラビア印刷では再現できない輝きがあると鑑定された
 大日本水産会魚食普及推進センター(山瀬茂継センター長)はテレビ東京で6日放送された「開運!なんでも鑑定団」に出演した。大日本水産会が所蔵する「日本水産動植物圖集(ずしゅう)」の原画100枚を出品したところ、2500万円の価値があるという驚きの鑑定を受けた。
 鑑定士の八木正自氏は「これは凄い発見」と高く評価。「(発行物の図集は)当時最新のグラビア印刷によって原画の色をかなり正確に出しているが、貝の内側の輝きなどが再現されておらず、原画でしか見ることができない」と鑑定理由について説明した。
 原画の作者は明治から昭和時代に活躍した博物画家の伊藤熊太郎氏。日本魚介図譜(1929年発行)によると、「明治30(1897)年頃まで農商務省水産調査所で水産動植物を写生した」と記載されているほか、1907〜10年に米国水産局の調査汽船「アルバトロス号」に写生担当として乗船した記録が残っている。
 「日本水産動植物圖集」は大日本水産会の50周年記念事業として1931〜32年に上下巻で出版されたもの。当時の主要な魚介類600種類以上、805図が収録されている。
 出品した原画は大日本水産会の資料室の棚の中から発見された。戦前からすでに同会が所蔵していたもので、保管方法と補修方法の助言を得ることを目的に番組出演に至った。
 原画は既にデジタル化されており、「おさかなぬりえ」などの魚食普及事業に活用されている。今後の活用方法は検討中。
 番組に出品者として出演した大日本水産会魚食普及推進センターの早武忠利事業課長は「大切に保管していくだけではなく、子どもたちが魚に興味を持ち、魚食普及につながる活用の仕方を検討していきたい」と語っている。

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