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今週の一本

●ノルウェー産スクレイ 日本初上陸  松田陽平 (週刊水産タイムス:23/01/23号)

イオンが販売開始 おいしさで感動を

左から四ツ井社長、NSCのクアルハイム氏、松本部長、インガM・W・ニーハマル駐日ノルウェー大使
 イオンリテールはノルウェー水産物審議会(NSC)と日本レロイと協業し、ノルウェー沿岸で1〜3月の限られた期間しか漁獲できないプレミアムフィッシュ「スクレイ」(ノルウェー産大西洋マダラの一種)を生のまま空輸し、「イオン」「イオンスタイル」約60店舗で20日から販売している。日本でのスクレイの販売は初めて。
 ノルウェー沿岸で産まれたマダラは、そのまま沿岸域に生息するものと、バレンツ海に移動し、成熟してから産卵のためにノルウェー沿岸に戻ってくる2種類に分かれる。産卵のために約1000qの道のりを泳いでノルウェー北西部のロフォーテン諸島周辺に戻ってくる旬の大西洋マダラを“放浪者”という意味の“スクレイ”と呼んでいる。
 長距離を移動するスクレイは、きめ細かくフレーク状にほどける独特の食感とすっきりとした味わいが特徴。NSCのヨハン・クアルハイム日本担当ディレクターは「欧州のミシュランシェフもその品質・おいしさを高く評価し、『タラのロールスロイス』とも呼ばれているブランド魚」と説明する。
 スクレイを加工・輸出する日本レロイの四ツ井幸希社長は日本までの輸送経路などについて説明し「ぜひ日本のみなさんにもスクレイを新しい食べ方で楽しんでほしい」と語った。
 イオンリテール食品本部水産商品部の松本金蔵部長はスクレイの販売を決めた理由について「初めて試食した時に今までにない衝撃を受けた。お客様においしいという感動を与えられると確信し、販売を決めた。次世代までに魚食文化を継承するために、おいしさで感動を与えたい」と説明した。
 ノルウェーで漁獲される大西洋マダラのうち、“スクレイ”という名で販売できるのはわずか10%前後。▽船上での活締め▽水揚げから12時間以内に加工・パッキング▽0〜2℃の温度帯で貯蔵保管▽皮目がきれい――といった厳しい品質基準を満たさなければ、スクレイの品質保証タグは付けられない。沿岸の加工場を“スクレイパトロール”と呼ばれる品質検査員が巡回し、品質チェックを行っている。

ニーハマル大使と三國シェフ(右)
三國シェフ考案のレシピを提案

 イオンは関東・北信越・東海・近畿・中四国の「イオン」「イオンスタイル」のうち約60店舗で毎週末(土日)を主体にスクレイを販売する。
 切身は100gあたり税別398円。松本部長は「国産マダラの約2倍の価格だが、普通のマダラと食べ比べると全く別物であることがわかる」とアピールした。切身やアクアパッツァセットのほか、「ムニエル」「フィッシュ&チップス」など調理済み商品も販売している。
 スクレイの日本初上陸に伴い、オテル・ドゥ・ミクニの三國清三シェフがノルウェー産スクレイの魅力を引き出した家庭でも調理できるメニューを3品考案。イオンの店頭で同レシピを紹介しながら、試食販売を展開する。

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