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今週の一本

●日給連・学流協・全給協の給食卸3団体が官邸に陳情  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:23/03/21号)

昨年の総理陳情に続き 物価高対策など官房副長官に要請

(前列左から)全給協平井氏、日給連中込氏、磯崎官房副長官、自民党中村部会長、同森屋部会長、
(後列左から)日給連大塚氏、全給協原田氏、学流協高橋氏
 学校給食関係卸3団体は総理官邸を16日午後訪れ、物価高騰に対応した学校給食費の保護者負担軽減について方策を講じるよう、内閣官房の磯崎仁彦副長官に陳情した。
 磯崎副長官は22年度予算の中で地方創生臨時交付金が給食費の保護者負担軽減につながった経緯に理解を示すとともに「予備費をこれまでと同じように学校給食にも使えるよう検討している」と前向きな姿勢を示す一方「岸田総理にも今回、(3団体代表が官邸を)直接訪れ、強い要望があったことをしっかり伝える」と業界にとって力強いコメントを3団体代表に語った。
 日給連の中込武文会長は昨年5月、岸田総理に給食卸3団体が地方創生臨時交付金を活用した保護者負担軽減の後押しを陳情したところ、岸田総理は陳情内容に理解を示すとともに「この制度が使われないようなことがあったら報告して欲しい」と付け加えられたことが流れを変え、地方自治体の交付金申請が進んだことを磯崎副長官に説明。
 「昨年9月には全国の自治体の9割ほどの1700自治体から申請があり、その結果、食材が良くなって子供たちは喜んでいた」。
 しかしその制度が3月に終わるため「現場では物価高、製品値上げが相次いでおり、今後の給食提供に悩む栄養士が多く『質をおとすことはできない。是非交付金制度を続けて欲しい』という心配と要望を我々団体傘下企業や首長などに寄せられている。3月という年度末の大事な時に是非早く検討していただき、現場に報告して欲しい」と陳情のねらいを説明した。
 これに対し磯崎副長官は学校給食の位置づけが教育現場で重いことを前提として触れ、臨時交付金の推奨メニューに学校給食が入り、文科省が活用推進を通知したことで地方自治体が交付金を活用して保護者の負担軽減が進んだことを改めて確認。「(給食費を)値上げしない自治体を含めれば99%の活用になったと聞いている」と応じた。
 さらに岸田総理の意向を踏まえて政府の物価対策としてエネルギー、食料費対策をしっかり行うという方針を説明。「予備費があるので、年度内にどう対応するか検討している」と補足。与党からの提言により「文科省も内閣府に交付金対策を継続するよう要望したと聞いている」と政府・与党挙げて取り組んでいる姿勢を示し「これまでと同様、給食費にも使えるよう検討している」と語った。
 磯崎氏は「3月末までに何らかの方針が出るのでは」という見通しも示した。

3団体の6名出席

 官邸で磯崎内閣官房副長官に陳情した3団体の出席者は次の通り。
 ▽(一社)日本給食品連合会・中込武文会長(甲信食糧社長、山梨県)▽(公財)学校給食物資開発流通研究協会・青木基博副会長(名給社長、愛知県)▽全国給食事業協同組合連合会・平井昌一理事(日栄物産社長、群馬県)
 ▽学流協・高橋俊之専務理事▽全給協・原田哲郎専務理事▽日給連・大塚史生専務理事
 自民党政務調査会の中村裕之文部科学部会長(衆議)と森屋宏内閣第一部会長(参議)が同席した。

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