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今週の一本

●大日本水産会 公海漁業禁止に反論  栗原浩太 (週刊水産タイムス:23/03/27号)

ICFAの反対声明を支持 RFMO主導で漁業管理を

左から吉田日トロ会長、
大水の内海専務、長岡英典常務
 大日本水産会(白須敏朗会長)は公海漁業禁止請願に対するICFA(国際水産団体連合)の反対声明を全面的に支持するとの立場を明確にした。
 20日に記者会見した大水の内海和彦専務は「公海漁業は禁止すべきではない」と明言したうえで、「食糧資源が厳しい中で公海漁業を禁止すると水産物供給が滞り、大きな問題が起こる。しっかりと管理したうえで対象地域の資源を利用していくべき」と見解を示した。
 ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)の学者であるラシド・スマイラ氏とダニエル・ボーリー氏は「公海でのすべての商業漁業を禁止し、国連の保護区として宣言すべき」とした署名活動を2月17日開始した。 これに対しICFAは反対声明を即日発出。漁業管理措置を改善しつつ公海域へと広げ、漁業の世界で講じられているRFMO(地域漁業管理機関)主導で漁業をコントロールすべきと主張した。

データの信憑性指摘

 内海専務は「公海漁業が補助金に依存している」という学者側の主張における信憑性にも言及。「水産予算(非公共分)の大部分が公海漁業への補助金として支出されているとは考えられない」と語った。
 学者側は日本が公海漁業への補助金として約849億円(2014年ベース)を支出していると記載している。なお、2014年の日本の水産関係予算は非公共分で1093億9000億円だった。
 会見には日本トロール底魚協会の吉田光コ会長も同席。「事実と異なる情報も広く流布してしまえば止めることは難しい」と強調。「今回の会見のようにしっかりと反論していかなければいけない」と考えを述べた。

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