●キューレイ米飯工場 「コックピット」が集中管理リアルタイムで生産状況把握
新工場は今川焼や卵製品を製造する第1工場の隣接地に建設した。業務用冷凍米飯を製造していた第2工場は操業を停止。建屋を残したまま新工場に生産を移管した。延床面積約1万u超。生産能力は日産約70t。家庭用「本格炒め炒飯」などに採用している「新・三段階炒め製法」のラインと、鉄鍋を使って直火で炒める業務用を中心とした計2ラインで構成している。投資額は約115億円。約40名を新規雇用し、90名程度で運営している。これまで日本人従業員のみだったが、1年半前から主にベトナム国籍の特定技能実習生を雇用している。 ニチレイフーズの工場で初めて導入したコックピット管理は、さまざまなカ所に設置したカメラが現場を見て回る巡回者の役割を果たす。後で確認する以前の体制に比べ、リアルタイムで生産状況を把握できるのが最大のメリット。機械の運転状態の確認はもちろん、出来高が計画通りに進んでいない場合、すぐ改善に着手できるという。 炒め工程由来の「焦げ」はAIで検知し、ロボットアームがピンポイントで排除する。焦げの周りも同時に廃棄していた従来と比べ、廃棄量の削減につながる。焦げの排除に伴う破棄量は従来の半減を目標にしている。 包装箱詰め・パレット積み付け・搬送は自動化した。 同社によると、米飯の市場規模は1兆4600億円。そのうち家庭用冷食が910億円、業務用冷食が600億円と両方を合わせても構成比が10%程度と高くないため、成長の余地が大きいと見ている。新工場の稼働でニチレイフーズグループの冷凍炒飯生産能力は1.5倍になった。 船橋工場と東西2拠点体制構築 ニチレイフーズの竹永雅彦社長は「新工場は当社の戦略カテゴリーの1つである米飯の新たな生産拠点。千葉県の船橋工場とともに、東西2拠点体制の一翼を担い、家庭用・業務用双方の商品で生産能力を増強し、BCP(事業継続計画)対応の促進とさらなる安定供給を進める」と挨拶した。 |
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