●ALPS処理水 海洋放出を開始首相、漁業者へ理解求める 廃炉完遂まで漁業継続に全責任
政府はALPS処理水問題に関する関係閣僚会議を22日開き、24日から海洋放出を開始する方針を決定した。岸田文雄内閣総理大臣はJF全漁連の正副会長や関係する漁連会長・漁協組合長との面談を21日実施。「国として海洋放出を行う以上、廃炉やALPS処理水の放出を安全に完遂すること、漁業者の皆様が安心してなりわいを継続できるように必要な対策を取り続けることを、全責任をもって対応することを約束する」と述べ、政府方針に対する理解を求めた。 全漁連の坂本雅信会長は@漁業者・国民の理解を得られないALPS処理水の海洋放出に反対であることはいささかも変わるものではないことA科学的な安全性への理解は深まってきたが、科学的に安全だからといって風評被害がなくなるわけではないことB海洋放出は廃炉作業のプロセスの一つに過ぎず、最後の一滴の放出を見届けるまで漁業者の受け止めは予断を許さないことC子々孫々まで安心して漁業できるように、漁業者に寄り添い、今後数十年の長期にわたろうとも国の全責任において必要な対策を講じ続けること――を強く求めた。 岸田総理大臣は「廃炉完遂まで漁業者のなりわい継続に取り組むこと、国が全責任をもって必要な対策を講じ続けること、フォローアップ体制の構築と水産予算とは別に必要な予算措置に政府全体として責任をもって対応すること」について、国として約束する考えを改めて示した。坂本会長は「政府のこうした姿勢と安全性を含めた対応について、我々の理解は進んできていると考えており、総理の発言を我々として重く受け止める」とコメントした。 海洋放出状況は「処理水ポータルサイト」(https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/)を介してリアルタイムで公表している。 「漁業継続が唯一の望み」/全漁連坂本会長がコメント 坂本会長は24日の海洋放出後にコメントを発表。放出反対の立場を明確にしたうえで、漁業継続に要する対応を政府に求めた。 |
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