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今週の一本

●MEL GSSI新基準の承認取得  後藤美緒 (週刊水産タイムス:23/10/02号)

世界が認める水産エコラベルに

 日本発の水産エコラベル、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)の認証プログラムがGSSI(世界水産物持続可能性イニシアチブ)の新基準に9月21日承認された。

承認取得を報告する
垣添会長
世界で2番目の新基準スキーム

 MELは2019年にGSSIから世界で9番目の国際標準化スキームに承認された。今回、GSSIの新基準立ち上げに伴い、これまでに承認されたすべての認証が再度承認審査を申請しているなかで、一足先に承認されたアラスカの責任ある漁業管理認証プログラム(RFM)に続く、世界で2番目の新基準承認スキームとなった。
 スキームオーナーであるマリンエコラベル・ジャパン協議会の垣添直也会長は、22日に行った記者発表で承認の喜びとスムーズな承認につなげた関係者の尽力に謝意を示すとともに、「GSSIの承認は目的ではない。“今日が始まり”であり、これからも前に進んでいく」と話した。
 また、「MELは日本の水産業と社会の実情に合った認証制度」と説明。日本の地理や生物、産業、食文化の多様性に対応できることが強みであり、「日本発の世界が認める水産エコラベルを確立するためにも、世界にしっかりと発信したい」と意欲を語った。
 今後の課題については「世界的に認証規格の厳格化が進む中で、産業の持続可能性とどう相容れるかについてしっかりと議論すべき」と指摘し、「MELは自然環境の保全と産業の持続の両立をめざす」と強調した。
 今後は養殖飼料認証制度の開発、RFMとCoC認証の相互認証を進めていく方針。

世界の消費者から選ばれるマークに

 会見に同席した大日本水産会の高瀬美和子参与は「GSSIという国際基準を改めて取得することで、MELの高い信頼性が世界から認められた」と承認を祝った。水産庁加工流通課の四ケ所信之課長補佐は「水産エコラベルは水産物の付加価値向上、流通促進の後押し、水産政策改革の重要な一翼を担っている。MELが国内のみならず、世界の消費者から積極的に選ばれるマークとなってほしい」と期待を寄せた。
 MEL認証件数は232件(9月21日現在)で、漁業が23件、養殖業が65件、CoC(流通加工段階認証)が144件となっている。
 認証魚種は33種。2022年の生産数量は約38万tで、日本の生産量全体の10%を占める。MELのロゴを表示した商品の品目数は229、販売数量は約1万8000t、金額は約340億円。

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