●AI活用で魚の品質規格標準化へソフトバンクらがコンソーシアム ソフトバンク(東京都港区)は魚の価値の向上をめざし、魚の鮮度や旨みの測定手法の確立に向けた「品質規格標準化プロジェクト」を開始する。同プロジェクトの実現に向けて、養殖業者の赤坂水産(愛媛県西予市)、愛媛県産業技術研究所、飼料メーカーのフィード・ワン(横浜市)、宅配寿司などを展開するライドオンエクスプレス(東京都港区)とコンソーシアムをこのほど設立した。 愛媛県デジタル実装加速化PJ/マダイのおいしさを見える化
「情報革命で人々を幸せに」を経営理念に掲げるソフトバンクは、2020年から養殖業の課題解決に向けたスマート化の取り組みを行っている。 同社のIT統括IT&アーキテクト本部アドバンステクノロジー推進室の須田和人室長は13日開催した説明会で、現在の養殖業の課題について「勘や経験などによる養殖経営から脱して、AIなどのテクノロジーを活用することでリスクやコストを抑えることが重要。また、品質規格についても、牛肉やコメ、果物には等級のようなものがあるが、魚には統一された品質規格がない」と指摘。また、長距離での鮮魚の運搬がより困難になる可能性がある物流の2024年問題に対応するため、「おいしい冷凍魚を作り、品質を落とさずに輸送する仕組みを構築すべき。将来的には輸出拡大につながる。養殖のスマート化の成功モデルとして海外にも広げたい」と語った。 今回設立したコンソーシアムでは“おいしい魚”の定義と“冷凍に向いた魚”の定義を明確化する。 魚の旨みの評価方法については化学的分析(破壊検査)と近赤外分光センサーによる非破壊検査、官能評価により行い、それらのデータを基にAIで機械学習モデルを生成し、「魚の旨みの新たな規格作り」「おいしい冷凍魚のための規格作り」「リアルタイムで魚の鮮度、旨みを測定する新しい手法の確立」を行い、魚の品質規格標準化をめざす。 赤坂水産が育成方法や締め方など検証 赤坂水産は冷凍に適した魚の育成方法や締め方、加工、冷凍のタイミングなどを検証。赤坂水産の赤坂竜太郎取締役は「食べる人の好みに合う魚を作るべき。冷凍魚が活魚以上においしく食べられる方法を追求する必要がある」と語った。 |
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