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今週の一本

●シーフードショー盛況に  金村詩恩 (週刊水産タイムス:24/08/26号)

サステナブルな漁業に注目

ニッスイのブースで浜田晋吾社長(左)から養殖魚「黒瀬ぶり」の説明を受ける坂本農林水産大臣(中央)
 国内最大級の水産展示商談会「第26回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(主催=大日本水産会)が東京・有明のビッグサイト東5・6ホールで21〜23日開催された。「シーフードビジネス×技術革新で水産の未来を創る」をテーマに、水産物の消費拡大、販路回復のための商談の機会を設け、水産業の最新技術・情報を発信した。
 国内39都道府県、海外17カ国・地域から約630社・団体が出展し、小間数は過去最高だった2019年並みの1338小間となった。出品アイテム数は約5000。国内外からバイヤーを誘致した。
 開会式には大日本水産会の枝元真徹会長、坂本哲志農林水産大臣、水産庁の森健長官、全漁連の坂本雅信会長をはじめ、ノルウェー、カナダ、インド、インドネシア、中国、韓国などの水産関係者が出席した。
 主催者挨拶で枝元会長は元日に発生した能登半島地震に触れ、「石川県とJF石川が協力して出展し、輪島港で水揚げした水産物をPRしている」と紹介。また、ジェトロの協力の下で輸出商談会の支援を行い、需要拡大に取り組むことも強調した。
 来賓を代表して挨拶した坂本農水大臣は「安全でおいしい日本の水産物や優れた技術が国内外のバイヤーに伝わり、新しいビジネスにつながってほしい」と期待した。
 枝元会長と坂本大臣は会場を視察し、水産関係者と情報交換を行った。

消費・販路拡大へ最新技術を発信

 スマート水産業や水産DX、海面と陸上養殖などの最新技術と、サステナブル(持続可能)な漁業の取り組みの提案が目立った。
 ニチモウ(東京都品川区、青木信也社長)はサーモン養殖事業と、研究開発を進めている環境にやさしい漁具についてPRした。
  「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」を掲げている養殖事業では岩手県久慈市の「久慈育ち琥珀サーモン」の事例を紹介。加工品の開発を同社が担当し、塩蔵品のみならず、生食用のサーモンや缶詰など幅広い商品の提供をめざしている。
 同社が研究開発した廃棄漁網をリサイクルしたポリエチレンが原料のイケスも紹介。事故や災害で流出してしまった場合には海底で分解する。  
 ニッスイ(東京都港区、浜田晋吾社長)は「Nissui Made」をコンセプトに出展。「黒瀬ぶり」のほか、サーモン養殖事業や同社のグループ企業の共和水産(鳥取県境港市)の新造漁船「第七十八光洋丸」で漁獲した「光洋丸カツオ」をアピールした。
 第七十八光洋丸は中西部太平洋のカツオとキハダマグロのまき網漁船で、2月にMSC漁業認証を取得。ブースに同船で漁獲したカツオを並べた。
 極洋(東京都港区、井上誠社長)はグループ会社のキョクヨーフーズ設立40周年を記念し、カニカマブランド「オーシャンキング」の紹介と試食を実施した。「オーシャンキング」シリーズの全商品をPRする試みは初。
  「オーシャンキングの極 しっとりかにごこち」はカニにより近い形状と味わいで寿司ネタとして最適。ブースを訪れた坂本大臣も試食し、絶賛した。
 マルハニチロ(東京都江東区、池見賢社長)は「サカナクロス『魚と、その先へ』」をテーマに出展。魚の多様な価値を様々な社会課題と掛け合わせる展示を行った。
 同社中央研究所の遊佐試験場(山形県遊佐町)で研究中のアトランティックサーモンの持続可能な供給の試みと、サクラマスを地産地消する取り組みを紹介。消費者が水産認証品を使うメリットについても解説した。

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