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今週の一本

●ニッスイ 30年に養殖事業1000億円  松田陽平 (週刊水産タイムス:24/11/25号)

サーモンやブリ、マグロで拡大へ

谷内氏
 ニッスイ(東京都港区、浜田社長)は養殖事業説明会を都内で19日開催し、谷内満執行役員水産事業副執行が国内外で展開する養殖事業の現状と様々な施策などについて説明した。
 同社は長期ビジョン「Good Foods 2030」の中で2030年度の売上高1兆円、営業利益500億円を目標に掲げている。そのうち、養殖事業の売上高1000億円、営業利益100億円という数値を目標に様々な施策に取り組んでいる。
 2030年に向けた施策として@養殖サーモン事業の拡大Aブリ類養殖事業の強化B短期養殖本マグロ事業の拡大C陸上養殖事業の深化――を柱の事業と位置付けている。
 養殖サーモンについては、国内では鳥取・境港、新潟・佐渡、岩手・大槌に加え陸前高田で試験養殖を今期行った。2024年実績は合計約3000tだが、30年に約9000tまで拡大する計画。谷内執行役員は「キーとなるのは三陸地区。大槌・陸前高田以外の漁協・地域と話し合いを進め、三陸沿岸での養殖エリアを開拓・拡大する準備をしている」と説明した。
 チリのSA社では現在約3万5000tの鮭鱒を養殖している。今後、育種の拡充、生存率向上などを進め、増産を検討している。

「黒瀬ぶり」などブリ類の生産も
拡大する計画
ブリ類は6000t増産を計画

 ブリ類(ブリ、カンパチ)養殖については現在約1万tを黒瀬水産やファームチョイスで生産しているが、30年に約1万6000tまで拡大する計画。計画達成に向けて人工種苗の強化(育種など)、沖合養殖による生産性向上(大型イケスへ転換など)、輸出の拡大などに取り組む。
 マグロ養殖事業については、同社グループの漁業(共和水産など)・養殖(ニッスイまぐろ)の強みを生かした短期養殖本マグロ事業を拡大する。24年の短期養殖本マグロの生産量は1100t(構成比約20%)だが、30年1800t(同約55%)まで増やす計画。谷内執行役員は「増枠傾向にある天然マグロ資源を有効活用し、短期養殖でより付加価値を高めたおいしいマグロを提供していく」と語った。
 陸上養殖については現在、「白姫えび」(バナメイエビ、鹿児島県南九州市)、マサバ(鳥取県米子市)、アトランティックサーモン(丸紅と共同出資、デンマーク)を展開している。
 2023年事業化した「白姫えび」の閉鎖循環陸上養殖事業は24年初めて黒字化を達成する見込み。23年の生産量は約100tだが、30年に300tまで増産する計画。
 マサバの陸上養殖は試験段階だが、26年の事業化(目標生産量約175t)をめざしている。

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