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今週の一本

●サングルメ 介護食市場と共に成長  橋本武寿 (週刊冷食タイムス:25/03/25号)

メディケア冷食工場訪問

マルハニチロのメディケア事業を支える

介護食用ゼリーの製造ライン
猪野社長(右)と小澤常務
サングルメ本社屋(右)と第1工場
 冷凍食品メーカーのサングルメ(鳥取市気高町)は業務用の介護食、デザート、惣菜を製造するマルハニチログループ企業。売上げの8割を介護食が占める。介護食市場の拡大に伴い売上高は年々堅調に伸び、工場はフル稼働している。猪野雅誉社長は「高齢者施設や病院等の介護の現場は人手不足が顕著となっている。社会的課題の解決へ、冷凍食品を通じて貢献したい」と語っている。
 サングルメはマルハニチロのメディケアコントラクト事業用の介護食製造を2004年から開始した。同事業を支える中核メーカーとして成長を遂げている。
 クレーム率は100万分の1以下。安全安心な商品を国内外に提供している。
 マルハニチロ向け商品は「ひとさじのチカラ」シリーズの惣菜ペーストをはじめ、「やさしいおかず」シリーズの惣菜ムース・ゼリー、「やさしい素材」シリーズの温野菜、果物、ゼリー野菜、とけないゼリー野菜、ミニとけないゼリー野菜、UDFデザート「四季の葛まんじゅう」など幅広く製造している。
 介護食だけでなく、デザート(プリン、ゼリー、ケーキ、タルト類)や惣菜(カップパイ、キッシュ、パスタソース等)を製造できるのも同社の特長であり、強みとなっている。
 業務用食材流通グループのPB冷凍食品や大手寿司チェーンの海外店舗向けのデザート製造なども請け負っている。
 約3500坪の敷地内に工場が2棟ある。
 第1工場(534坪)で介護食、第2工場(376坪)で介護食、常食用のデザート、惣菜を製造している。2つの工場で、生産能力は日産11t。開発室15坪、荷受室41坪。
 第2工場は従来、デザートと惣菜を主力に製造していたが、23年の工場内改造拡充により介護食を増産できるようにした。現在、トンネルオーブンを新型機に入れ替えるなどして製造能力をさらに高めている。
 サングルメの前身はケータリング会社のジャパン・アソート・ケータリングサービス(大阪府、1977年設立)。
 1992年に鳥取工場(第1工場)を竣工すると共に、「ジャスト」に社名を変更。当時の主要製品は機内食や旅館向け食品だった。
 工場を95年、97年に増設し生協向けも請け負うようになった。
 2001年に第2工場を立ち上げると共に、冷凍庫を増設した。
 翌年の02年にニチロ(07年〜マルハニチロ)の子会社となり、社名を現在のサングルメとし、同年12月に設立した。当時の従業員43名。現在の従業員数は100名。事業拡大に伴い、スタッフの数も売上げもサングルメ発足時の2倍以上となっている。常勤役員は猪野社長と小澤宰常務の2名が務めている。
 猪野社長は東京水産大(現東京海洋大)卒業後、大洋漁業入社。マルハニチロ北日本品質保証部長、生産管理部長、マルハニチロ加工食品ユニット、N&NFOODS(タイ)社長を経て、24年6月19日付で現職に就いた。

ノンフロン設備やソーラーシステム導入

工場屋上に取り付けた太陽光パネル

 サングルメは環境負荷低減の取り組みにも力を入れている。
 環境省の脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業に採択され、加熱後製品の冷却用に高効率自然冷媒冷凍機で冷却するノンフロン設備を22〜23年に導入した。
 さらに太陽光発電システムを導入し、工場屋上にソーラーパネルを一昨年設置した。
 主要設備は液体充填機、連続式蒸煮機、トンネルオーブン、トンネルフリーザー、トップシール機、ピロー包装機、X線異物検査機、金属探知機、重量チェッカー、ロータリーブレンダー、クッキングミキサー、F級冷凍庫(36t)、高効率自然冷媒冷凍機(ノンフロン設備)、太陽光発電システム。
 (一社)日本冷凍食品協会認定工場、ISO22000[2018]認証、鳥取県版HACCP取得。立地は鳥取コナン空港から車で約15分。

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