冷凍食品(冷食)・冷凍野菜・お弁当の売上・取扱ランキング・ニュース

水産タイムズ社
トップページお問い合わせサイトマップ
今週の一本

●マルハニチロ 事業化レベルのサンマ養殖に成功  後藤美緒 (週刊水産タイムス:25/09/15号)

100g超まで成長

開発センターの陸上水槽で飼育試験中のサンマ
ふくしま海洋科学館から提供された
サンマ卵
マルハニチロ養殖技術開発センターで
8月に水揚げした養殖サンマ
 マルハニチロ(東京都江東区、池見賢社長)は養殖研究を行うグループ会社のマルハニチロ養殖技術開発センター(鹿児島県南さつま市、桐生耕造社長)において、事業化レベルの飼育密度でサンマの試験養殖に成功したことを9日発表した。
 2008年に35.5万tあった天然サンマの水揚量は、21年には10%以下の2万tにまで減少。卸売価格は65円/s(08年)から約10倍の621円(21年)に高騰している。
 札幌市中央卸売市場で今年7月に行われた初競りで1sあたり88.9万円の値がつくなど、希少性は年々増加している。
 マルハニチロ養殖技術開発センターでは、23年10月にふくしま海洋科学館(福島県いわき市、古川健理事長)からサンマ卵の提供を受け、世界で初めてサンマの水槽内繁殖を成功させた同館の技術支援により、サンマ養殖の研究に着手。
 クロマグロやブリ、カンパチ、マダイの人工種苗生産などで長年培ってきた養殖技術や研究開発の知見を生かし、サンマ養殖に適した餌や飼育設備の検討を重ねた。
 24年6月に、出荷目安である100gを超えるサイズまで成長させることに成功。同年8月には人工授精にも成功し、事業化に向けた技術の蓄積を継続している。
 同社は「今後も当社の“養殖的視点”とふくしま海洋科学館の“生物的視点”の共創により、サステナブルなサンマ養殖の事業化に向けた技術開発に取り組む」としている。

水産タイムス 冷食タイムス
(C) Copyright 2004-2015, Suisan Times Co., Ltd. All Rights Reserved.
当サイトに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。  お問い合わせ |サイトマップ著作権・記事使用・リンク・個人情報の保護などについて>>