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この人に聞きたい:第146回
(週刊冷食タイムス:08/06/17号)

全国制覇のカギは人材育成

(株)シュガーレディ本社 代表取締役社長  大野 悦史 氏

(おおの・えつし)アルバイトから学卒で昭和49年入社。52年発足したSL東京の責任者に。常務から昨年6月1日社長に。横浜市大卒、昭和24年3月福島生。

安全安心食材を磨き続ける

 冷凍食品を主体とする大手宅配サービス会社、シュガーレディグループは顧客との信頼関係や商品に対する利用者の安心感を背景として、厳しい環境の中で着実に業容を拡大している。新体制発足1年後を聞いた。
 
 ――新体制発足から1年、厳しい環境だったが。

 大野 本当に厳しかった。業界の苦悩と同様に、原価高もエネルギーコスト高も進み、しかも高いだけでなく、モノが日本に入りにくくなってきた。食糧供給の大きな問題だと実感します。

 ――それでも前期は好業績、社長として初年度は合格点では?

 大野 幸い、前期は3%の増収、また以前から経営のスリム化を進めてきた結果として経常利益は25%増と大きく改善できたが、これもシュガーレディグループが長年築き上げてきたお客様との信頼関係と商品に対する安心感を評価されたから。値上げ効果もあった。社長としては、まだまだ。決して満足できる内容じゃないですよ。

 ――課題はどこに?

 大野 数値的には拡大しているが、人材の確保、育成に大きな課題を残してます。昨年の新体制発足を機に「全国制覇」の実現をテーマに掲げ、東日本、東北などへの地域拡大の夢も語ったが、これを実現するためには人材が不可欠。佐藤健副社長を中心に若手の育成を進めているが、当グループが今後も拡大を続けるためには、何よりも人材育成が最重要課題です。

 ――需要拡大を支えてきた「シュガーパーティ」の方法も新たな取り組みが必要になってきた。

 大野 「シュガーレディ」の皆さんがご近所の知人友人を招いて冷凍食品を試食するシュガーパーティは人と人の関係を大事にする当社の基幹事業。冷凍食品の正しい知識を学び、新しい商品、安全安心についても説明しながら普及拡大できることは、他の物販事業、宅配とは異なるシステム。ここで食に対する正しいマナー、箸の使い方なども「食育」として学べる仕組みにしたことで、ほかにはないシュガーレディグループ独自の価値として認められています。ただ、パーティを開催してきた土日に家を空ける人が増えてきた。そこで平日のファン作りを進めようと取り組んでいるところです。高齢者対策も大きな課題です。

 ――食の安全安心問題は?

 大野 実は問題が発生する以前に、5年前から独自に品質検査分析を行なう「安全監査室」を横浜市瀬谷区に開設していました。これにメーカーの工場監査、メーカーから提出されるリスク分析表の管理を加え三重でチェックしており、顧客の安心評価を得ています。当社は業界に先駆けて無添加安全宣言に早くから取り組んでおり、その基盤があったこともリスク抑止力になっています。

 ――しかし安全安心と高価値と枠を狭めれば入手しにくくなる。

 大野 確かに“しばり”をきつくすれば調達が難しくなるが、だからといって、我々が枠をゆるめれば他の物販会社と変わらなくなる。安全安心の食品を常に磨き上げる姿勢は譲れません。

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