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この人に聞きたい:第181回
(週刊冷食タイムス:09/03/03号)

生産品目絞り、増益体質に

(株)ローズコーポレーション代表取締役社長  高塚進氏

(たかつか・すすむ)昭和51年カスミ入社、平成18年5月から現職、カスミのデリカ食品本部マネジャーを兼務していたが、今年2月16日付で専任に。55歳。

酢飯は工場生産で均質化

 カスミの惣菜製造子会社、ローズコーポレーションは3年前から生産品目の絞り込みや機械化による省人化を図って収益力を強化し、増収増益を継続中。3年前に就任した高塚進社長に取り組みを聞いた。

 ――ローズコーポレーションの生産品目は?

 高塚 カスミの惣菜売場向けに煮物、サラダ、キット惣菜、寿司、弁当、チキンと計152SKUを生産しています。カスミのデリカの売上げの約四割を占めています。3年前までは250SKUもありましたが、不採算だった和菓子を止めるなど品目を絞り込み、生産効率を上げました。不安定だった収益力は、07年2月期から増収増益体質に転換することができました。

 ――米飯ラインを増強した。

 高塚 生産能力を3倍に拡大し、ご飯は100%内製化が可能になりました。寿司に使う酢飯は機械生産で均質化を図り、全店に同じ品質の酢飯を供給しています。店舗で作るとどうしても味にバラつきが出てしまいます。買物客の評判もいいですね。弁当に使うご飯は地元の茨城産コシヒカリを使っています。

 ――「ロースかつ丼」が良く売れている。

 高塚 ロースかつ丼はデリカの全カテゴリーでNO.1商品です。たれ、玉ねぎ、具材は工場でキット化して店舗に送り、店内で冷凍とんかつを揚げています。これで店内調理による出来立て感が訴求できます。仮にこのおいしさを保ちながら工場で生産することができれば、同じ時間で2倍の数量を作ることができます。工場を持っている強みと言えます。そのための研究もすでに始めています。

 ――ポテトサラダも人気が高い。

 高塚 ポテトサラダのじゃがいもを蒸す際は微細な水の粒子を当てて調理する特殊な機器を使うため、普通に蒸す場合と比べて、じゃがいもにホクホク感が出ます。これも人気の要因の一つでしょう。この機械については特許も取得しています。

 ――恵方巻商戦は?

 高塚 昨年の同時期は雪が降ったため、今年の販売数量が読めませんでした。のり巻き製造機械を1台追加して工場で6万本強、店内で15万本生産しました。廃棄ロスはなかったのですが、夕方のチャンスロスが大きかった店はありました。

 ――09年2月期の業績見込みは?

 高塚 増収増益を見込んでいます。ただし後半は不況の影響で、家庭で調理した方が安上がり、という意識が消費者の間に定着してきており、惣菜はトレンドが下降してきました。2000〜2500円の高単価な寿司の売れ行きは半分以下になっています。売れ筋の量目も3〜4人前から1〜2人前に下がっています。寿司は特に関東地方で強い影響を受けています。
 まだまだカスミの売場には他社の製品が並んでいます。これをいかに当社の製品に代えるかが課題です。成長の余地は残っています。

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