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この人に聞きたい:第184回
(週刊水産タイムス:09/03/23号)

水産事業で再生果たす

(株)ニチレイフレッシュ代表取締役社長  長谷川寿氏

はせがわ・ひさし 昭和52年ニチレイ入社。人事部の労務担当、不動産事業課長、人事の課長、部長代理を経て、中国支店長。北海道支社長、関西営業支社長を歴任。平成18年4月からニチレイフレッシュ社長。25年9月大阪生まれ。東大法卒。

 長かったトンネルの出口がようやく近づいてきた。数年続いた赤字体質からの脱却をめざし、不退転の決意で構造改革を進めてきたニチレイグループの水産事業。今期は黒字化を達成し、次のステージへと戦略を進める。

 ――水産事業の再生プランを掲げてきた。今期の状況は。
 「6期ぶりの黒字は間違いない。特に前半が良かった。後半は苦しかったが、余計な在庫が少なかった分、助けられた。数字上は立て直しが図れたが、課題はまだある」
 
 ――業界では魚で儲かった話をあまり聞かない。
 「水産商事は利益が薄く、人件費コストを考えると、効率のいい商売ではないが、歯を食いしばって頑張ってきた。同業他社と比べて、人件費コストの比重はかなり軽くなったはず。売上げを維持したまま固定費を減らす、人数が減った中で、既存のお客様を大切にしながら新たな販路を開拓するのは容易ではないが、仕事の内容そのものが90度変わるわけではない。(業績の)数字が上がっていけば社員も納得するだろう」

 ――改善できた点は。
 「例えばエリアごとに行っていた在庫管理を本社で一元化した。モノは既に動いているのに原価が決まらず、決済が後回しというようなおかしな現象も当たり前になっていた。一元化はちょっとした力仕事になったが、事務作業もかなり効率的になった」

 ――水産では魚種の絞り込みも事業回復の要因になったと聞く。
 「まだ、方向性の結論は出していない。ユーザーあっての商売。もともとエビ、タコ、魚卵、貝類は強いが、泳ぐヒレ魚は全くやらないというわけにもいかない。水産が畜産と大きく異なる点は魚種の豊富さ。工夫次第でいろいろ加工できる商品でもあり、知恵の働かせがいがある仕事。魚種を絞り込む以外にも事業が好転する道があると思っている」

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