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この人に聞きたい:第191回
(週刊冷食タイムス:09/05/19号)

ポテトで育った世代は離れない

日本マッケイン・フーズ株式会社オペレーション・ディレクター  稲毛教之氏

(いなげ・のりゆき)昭和26年12月22日生まれ。青山学院大学卒後、貿易会社に入社。平成元年同社に転籍、管理部門中心に歩む。カナダの工場駐在を2年経験。

第2の柱商材育成に注力

 日本マッケイン・フーズが日本法人化して22年。冷凍フレンチフライドポテトのトップを競うメーカーとして右肩上がりで業績を伸ばしてきた。変化するマーケットにどう対応するのか、稲毛代表に話を聞いた。

 ――昭和62年の創業から今年で22年。日本のマーケット環境は大きく変化した。
 稲毛 当社が日本法人となってから10数年間は毎年二ケタの急成長を続けてきました。マッケイン社は世界を代表するポテトメーカーで、カナダ本社の全面的なバックアップもあり、日本市場でも急成長を遂げました。創業当時のメンバーは転職や退職などで離れ、私が最古参となりました。

 ――日本に生産拠点を持つ構想もあったが、実現していない。
 稲毛 フレンチフライドポテトは完全な装置産業なので、原料の高い日本では無理です。我々が考えた工場は、ポテト以外のフィールドで第2、第3の柱商材となる製品づくりの拠点です。ポテト製品以外にピザやケーキなどにも挑戦しましたが、これらも海外のグループ企業から輸入し販売していたもの。残念ながら日本で生産し販売しているものはありません。

 ――他のメーカーと違ってユーザーの声を生かした製品づくりは無理ということ?
 稲毛 いえ違います。日本に工場がないというだけで、世界各国の工場に日本のユーザーの声を届けた開発は行なっています。ただ食品に関する法律の違いや、生産数量などの点で制約があります。また要望段階から実際の開発までに時間がかかるというデメリットも否めません。

 ――数年前から第2の柱商材として、アペタイザー、フィンガースナックに力を注いできたが。
 稲毛 オニオンリングはそこそのボリュームで市場に定着。ファストフードなどで人気を博しています。今後、CVSのレジ周りでヒットすれば、さらに拡大すると期待しています。マッケイン社は各国で様々な食品を手掛けていますが、やはり根幹となるのは農産物を使った製品です。

 ――ポテトは製品の差別化を図るのが難しく、市場で顧客を「取った」、「取られた」の戦いでは。
 稲毛 顧客の争奪戦であるのは確かですが、マーケット自体は決して縮小していません。かつてフレンチフライドポテトと言えば、ハンバーガーや洋食メニューの付け合わせでした。ところが近年は回転寿司や居酒屋メニューでも定番商材として定着するなど、和食分野でも受け入れられています。また子供時代にポテトを食べて育った世代は、大人になっても食べ続けています。

 ――なるほど。ポテトで育った世代は完全には離れておらず、定着している訳だ。
 稲毛 世界的な健康志向の流れで、フライ商材を敬遠する傾向は確かにあります。しかしマッケイン社がポテトのフライに使用しているのは菜種油で、健康志向に合致。この数年はトランス脂肪酸ゼロの製品が増えています。

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