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この人に聞きたい:第208回
(週刊冷食タイムス:09/09/15号)

商品開発に人材を投入

ケンコーマヨネーズ(株) 代表取締役社長  炭井孝志氏

(すみい・たかし)平成12年6月から現職。昭和28年8月生まれ、56歳。東京水産大(現東京海洋大)卒。香川県出身。趣味は読書(歴史もの)とウォーキング。

新しい商品群で企業前進

 今3月期を初年度とする新中期経営計画で「商品開発と生産性向上への徹底的なこだわり」、「売上高経常利益率3%以上の確保」等をテーマに掲げるケンコーマヨネーズ。炭井社長に具体的な取組みについて聞いた。

 ――新機軸商品のディライトシリーズが堅調に推移している。
 炭井 気になるオイルをカットし、素材の持つ風味を大切にして仕上げた商品群がディライトシリーズです。昨年あたりから営業に力を入れてきましたが、お蔭様で市場に浸透し始めています。1次加工品、素材的商品、調理のベースとなる商品にも力を入れています。

 ――底辺を広げている?
 炭井 外食や惣菜など当社得意先の市場はシュリンクしています。こうした中、活路は同業者の手掛けていない商品群にあると考えています。企業の勢いを止めないため、商品開発に人を投下することも惜しみません。商品開発とメニュー提案の両輪がうまく働かなければ、相手がプロの業務用の世界では厳しいですから。

 ――サラダ販売店「サラダカフェ」運営もメニュー提案のためか。
 炭井 関東3カ所、関西7カ所の計10店舗を展開しています。当社の顧客である惣菜屋さんや外食、CVS等のお客様に「こういうメニューを店舗で手掛けたら実績が上がりました」という情報をお持ちできます。中日本にも店舗を設置できれば情報にも厚みを増すのではないかと考えています。

 ――生産面の課題は?
 炭井 それには生産技術の向上が不可欠です。機械更新を拠点統合も踏まえながら手掛けなければ製造原価は下がりません。今ある工場も小杉直輝先生のご指導で改革が進んだと考えていますが、内部改革プラスアルファをどかんとやる必要があります。今期からの3カ年計画にも折り込みました。

 ――具体的な工場再編計画は。
 炭井 マヨネーズ・ドレッシングを製造する稲城工場(東京都)を稲城市の再編計画を機に、厚木工場(神奈川県)と西神戸工場(神戸市)に統合し、稲城工場を閉鎖します。また、流通管理部門が関東と関西にありましたが、関東に統合を進めています。

 ――経常率3%の実現性は?
 炭井 3%は普通に商売していれば出る数字のはずですが、昨年の情勢では無理でした。原料価格が上がっても販売価格が上がるまで時間差があり過ぎました。このため前期の経常利益率は1.7%に落ちました。逆に後半は原料価格下落との風評だけで販売価格が下がってしまった。原料価格を適正に販売価格に反映できれば3%は利益を確保できるはずです。

 ――今期の連結売上げ目標を5.1%減としている。
 炭井 市場縮小の中で強気の目標を追いかけても、結果は不良在庫を招いたり、価格競争に入ったりと意図しない動きの方が多くなる事を十分経験してきました。売上げは現状に即し、例え95%でも確実にクリアしていき、様々な経費等も含め売上げに見合った体制を作り、利益を確保する考えです。

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